105.Rainy season syndrome [魚の病気]
photo: EOS+60mmMacro ISO:400 SS:1/50sec F2.8
Rainy season syndromeは1つの原因ではなく、色々な要因が重なって調子を崩すと考察しています。 まず第一に考えられるのが水道水が不安定なるから。 梅雨時は豪雨で山や陸地が削られることによって大量の土砂が河川に流れ込み水は茶色く濁ります。 その濁った水の中には土中の細菌や色々な物質が混ざりとても汚れた水になります。 その汚れた水は浄水場で処理されるわけですが、この時期は河川の水が悪い上、水道使用量も多いので素早く処理するために消毒用の塩素濃度を限界値まで引き上げられます。この処理によって供給される水は当然、残留塩素が高くなり、魚の呼吸障害や肌荒れを引き起こします。例えカルキ抜きなどのコンディショナーを使って処理したとしても、それは十分ではなく、多く入れれば飼育水に中和成分が過剰に蓄積することになるので不純物の多い水になってしまい魚にストレスを与えます。 もちろん浄水器などを使ってる家では問題のないレベルまで塩素は除去されますが、山や陸地の土砂が削られ、流されてきた泥水には重金属やミネラルが通常以上に含まれているためph値や硬度が毎回微妙に(場合によっては大きく)変動しますので、この変もデリケートな魚には大きなストレスとなります。
次に考えられる要因は水槽周りの雑菌。 ジメジメした梅雨は雑菌が増殖しやすい季節でもあります。特にエロモナスやカラムナリスなど魚に害をもたらす雑菌が異常繁殖します。 中でもこの時期の水道水のphや気温(水温)から考えると水槽内で一番発生しやすいのがカラムナリス菌です。この菌は年中水槽内にいる常在菌ではありますが、梅雨のジメジメに乗じて爆発的に増殖して魚に襲い掛かります。 ディスカスの場合、まずエラにダメージを与え、肌荒れを引き起こし、鰭をとかし・・・。
常在菌は通常、その量が一定量で免疫が機能している時には大きな問題はありませんが、上でも触れたように水質に変動がありストレスのある状態であれば容易く感染します。 他にもストレスによる免疫低下は腸内細菌にも悪影響を及ぼし、食欲不振や白糞、ヘキサミタ症なども併発することがあり、こうなればカラムナリスにヘキサミタ症のダブルパンチ。その上、エラ吸虫にも最適な水温なのでトリプルパンチになる可能性が非常に高くなります。こうなってしまったら手の施しようがない。
最近、いろいろな方のBlogを拝見してると白糞が出たり、食欲がなくなって・・・って記事をよく目にしますが、おそらくこれは上のように色々なものが併発した「Rainy season syndrome」だと思います。対策としては、無菌室でROを使い完全な純水を作った後、必要なミネラルを添加して殺菌灯を常にフルパワーで稼動しておけば大丈夫でしょう。
・・・ってそんなこと無理ですよね!?(^^ゞ
それにそこまでする必要ないと思いますしね。 肝心なのは予防と素早い対処だと思います。 何か調子が悪いと思ったら即行動! これが全てだと思います。
例えば、我が家で行っているのは、エルバージュとプラジカンテルによる二種混合薬浴。 2週間くらい前から、エラの開閉が比較的いつもより早い仔がいたので、数日水換えや水質の微調整で様子を見ましたが、病気と言うほど調子は悪くないし、特に何かの病気の特徴的な動きもない。 でも何かいつもと違う。 こうなればRainy season syndromeです。
今年初めてエルバとプラジの二種混合を試してみましたが、2つの薬品を混ぜても変性や毒性は特になさそうだし、カラムナリスとエラ吸虫、条虫、スレ、細菌性疾病など、この両薬でほぼ全て治療&予防できるし「一度で二度効く」的な感覚でやってみました。 結果、3日でエラの開閉異常は治まり、若干黒化していた個体も元の色に戻ってきました。
最後に・・・。
飼育者の中には「薬品は使わない!」「自然治癒で!」「バクテリアが弱る!」などと言う方も結構いると思います。 もちろん乱用や長期連用はよくないけど、必要な時には適量の治療薬を使うのがベストだと私は思っています。 バクテリアを気にするあまり、処置がおくれると再起不能の状態になる場合もありますし、バクテリアを飼っているのではなく、魚の飼育なのだから、死んでしまったら元も子もない。 また、薬品を薄めに使うと言う意見もよく聞きますが、ナマズや古代魚など薬品に弱い魚の場合はともかく、ディスカスなどスズキ目の魚は薬品に強く、薬で死ぬことはほとんどありません。 また、薄めに使うと当然効果が弱いので、細菌が確実に死ぬことなく耐性菌となって強い菌になり魚を苦しめます。 特にパラザン(オキソリン酸)は耐性菌を作りやすい抗生物質として有名なので、使用、連用はとても危険です。 このような理由から「菌を殺す時には確実に仕留める!」っていうのが重要なので薬品は必ず適量で使うことをオススメします。
以上、 Web版C'ZONEの時(6~7年前)にメールマガジンで書いた記事を復元してみました! (多少修正追記したけど。) 長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。(^_-)
086.Tremazol [魚の病気]
25 ml fur 375 - 500 Liter Wasser 100 ml fur 1500 - 2000 Liter Wasser 25 ml 10.50 EUR 100 ml 26.90 EUR |
いきなり他国語で表記されましたが、C'ZONEが世界デビューしたわけではありません!
プラジカンテルの最新情報を入手するために海外サイト(主にドイツ)をブラウジングしてたら、こんなのを見つけました。 ほら! 馴染みのあるロゴが入ってるでしょ? そうです、あの「シポラックス」でお馴染みの「sera」がプラジカンテルを主成分とした駆虫薬を発売したのです。 読めない英語やドイツ語を無理やりこじつけて読んだところ、面倒で一番難しい乳化や精密な量りを必要としない液体化したプラジ薬品のようで25mlで約500L、100mlで2000Lに対応するとのこと。 値段もユーロレートから換算したところ25mlで約1,700円、100mlで約4,360円。
コスト的に考えれば水産用「ハダクリーン」の方が割安ではあるけど、個人レベルで使いきれる量ではないし、何より入手が非常に難しいという点から考えれば、必要量を手ごろな価格で買える我々ディスカス愛好家には待ちに待ったありがたい商品。 ただ、現時点での国内流通&販売は一部のショップに限られているようで探すのは少し困難かもしれません。 でも需要と供給のバランスが上手く行けば近々にはどこのお店でも取り扱えるようになると思います。日動あたりが出したのであれば全国に浸透するのは早いけど、その辺は販売シェア的に日本ではまだ難しいのかな!?
Tremazolの効能についてはプラジカンテルと同じでエラ吸虫に最大の効果があり、また条虫(サナダムシ)にも効果があります。 ただ海外のサイトでの使用結果や説明文を読んでいると「拒食に効果がある」というのがよく書かれてありました。 個人的な見解だけど、プラジが拒食に効くではなく、拒食の原因がエラ吸虫だった場合に限り、エラの負担が解消されたことによって食べるようになったというのが正しい解釈だと思います。 最近、プラジを拒食の特効薬のように思われてる方も多いようですが、環境から来る拒食を回復させる薬は今のところまだありません。 内科でも外科でもなく、精神科だから、こればっかりは飼い主が魚の気持ちを酌んであげるしかないよね。
083.拒食症考察 [魚の病気]
季節柄そろそろ拒食に陥る仔が出てくるシーズン。なぜか春~梅雨には拒食になりやすい。 先日メールで拒食の相談を受けたので我が家の拒食対策を少し紹介させて頂きます。
ディスカスを飼っていれば、必ずと言ってよいほど拒食になることがありますよね?この拒食の原因は水槽環境、水質、ストレス、寄生虫など色々言われています。でも、実際はストレスで全て説明がつくのではないかと私は考えています。水槽の設置場所、水質、餌、混泳魚との性格の不一致などなど。
Photo:赤虫に群がるディスカスたち。やっぱり赤虫は食いがいいね~
拒食の症状は「食べない」「白(透明)の糞をする」っていうのが最も有名ですが、特に食欲がなくなって2~3日後に白(透明)の糞が出たりすれば「拒食だ!」「寄生虫だ!」と大騒ぎする人も多いけど、これは寄生虫ではなく「餌を食べていないのだから色がついてなくて当たり前」と私は考えています。実際に糞の色が薄いからフラジールで薬浴しても改善されなかった場合も多いのではないでしょうか!?
拒食の原因は寄生虫と言うより飼育環境が問題で発症するケースが多く、ほとんどの場合は飼育環境を変えることで打開することができると考えています。体調さえ崩さなければ寄生虫がお腹にいても何ら問題はありません。反対に免疫が高まることも有名な話しだったりもします。だから寄生虫を疑う前に飼育環境を整え、腸内細菌を正常に保つことが重要で、フラジールや薬浴は拒食解決の第一の手段として行うべき処置ではないと考えています。薬の成分で腸内細菌を弱らせ、浄化細菌も弱らせ、よりいっそう調子を崩すことにもなりうるから・・・。
ウチの場合、拒食に陥った個体がいれば、数日間水槽の照明を終日OFFにして様子を見る。それでも改善がないようなら苛められていたり、怯えている個体は間仕切りを入れたり、別水槽に隔離し、水温を30℃に設定する。(通常飼育は26~27℃)この処置で1週間ほど様子を見て、この間は赤虫やミナミヌマエビなどを餌とし、食べているかを確認する。
それでもダメなら、濃い目のブラックウォーターにして、HB-101を100Lあたり10~15滴ほど入れて数日様子を見る。水質や水温を微妙に変化させることで大半はこの段階で事なきを得るって感じです。
しかし2週間を過ぎても依然として拒食が続いている場合は徐々に痩せ始めるので2週間を越えてまだ食べる気配がないのであれば、ここにきて初めてフラジールを投薬し水温を33℃まで上げます。
こんな感じの処置で今までウチの魚たちは拒食を乗り越えています。
それともう1つの拒食のパターンとして、お腹が異常に膨らみ破裂しそうな状態で餌を食べない場合ですが、これも胃腸障害による拒食だと考えています。エロモナスだと思って処置される方もいますが、この場合の治療はとても危険で腸内細菌等の働きが弱まっている時にエロモナス用薬剤(抗生物質)の投薬はそれ以上に腸内細菌を弱らせてしまって回復できなくなります。エロモナスによる腹水症と食べ過ぎや消化不良による膨らみをきっちりと見分けないと治療方法が全くことなりますので注意してくださいね。
この胃腸障害の膨らみは一種の便秘症状なので、毎日の管理で発症をおさえることができます。ハンバーグをメインで飼っている場合に多く発症するのは、自然界ではありえない食生活(牛肉なんか食べない)から起こるものなので、赤虫やエビなどの自然食を主食にすることで発症しにくいと思います。赤虫は下剤のような役割もあるので特にオススメです。また万全な管理にも関わらず発症してしまった場合は少し水温を上げ代謝を高め、照明をけして(通常の拒食の処置と同じ)・・・それと健康なディスカスの糞を不調なディスカスの水槽に入れることで改善したケースがあります。これは正常なディスカスの糞から腸内細菌を移植するという考え方で、結構な確率で復活してます(我が家の場合) この時、食糞することがありますが、それは大いに結構!直接食べてくれる方が回復が早かったりします。
081.プラジ投薬 [魚の病気]
また投薬してしまいました。プラジカンテル。(^^ゞ
昨年の夏にダクチロギルス症に侵され、呼吸困難から体調不良を招き3匹を拒食に近い状態に追い込んでしまった。 現在では復調して普通に餌を食べ、元気なことは元気なんだけど、そのうち1匹がまたエラを開きぎみで他のディスカスも流木や産卵筒にエラを擦り付ける兆候があるので、予防&軽度エラ病の治療って意味合いで投薬することにした。
Photo:プラジカンテル(ドロンシット剤)をすり鉢で磨り潰し水槽に投薬直後
初めはこのように白く濁るが次の日には透明になる。
不思議なことに、プラジを入れて次の日には恐ろしいほど水が透明になる。
麦飯石のコンディショナーを入れた時のように・・・・・。
一度エラ吸虫に侵された仔は治癒した後も度々エラに問題があるような仕草をみせることが多い。軽症の時に治療していれば、このようなことはないのだろうけど、我が家の場合は重症化した後の治療だったので、エラそのものに完治しないキズを残してしまったのかも知れない!? ただ、息苦しい症状を見せるのは硝酸塩濃度があがった時やストレスを感じた時だけなので、通常は水換えや環境を改善すれば元に戻るのだけど、今回はちょっとダクチロっぽい感じがするし、春先の水質や気候が不安定な時期でもあるので、とりあえず投薬したのだけど・・・。
話しはちょっと変わって、今日聞いてもらいたいのはプラジカンテルによるパラサイトフリーのディスカスについて思うこと。 ゲーベル氏の実験施設ではパラサイトフリーのディスカスがいつも「寄生虫の侵害を受けることなくヌクヌクと生活している」と雑誌でよく拝見する。 でも、彼のような完璧な実験施設を作り、実践することが我々一般のディスカス愛好家に可能なのだろうか? そもそもダクチロギルスの進入経路は餌であったり新魚導入であったり、水であったりと定かではない。その定かではない経路を特定することもないまま、彼の駆虫マニュアルに沿ってライフサイクルを計算した駆虫を行ったとしても、ターゲットの成長過程自体不明確なのに、完全に永久的に水槽から排除することが可能なんだろうか? バイオハザードレベルの実験施設で餌も水も完全な駆虫をした後に与えるのであれば可能かもしれないが、それ以外では「パラサイトフリー」にするのは難しいのではなかろうか?
そう考えるとプラジの効果は一瞬(数日~数週間単位)でしかないのだけど、例えそれでも俺は十分な成果があって素晴らしいことだと思う。 そもそも宿主と寄生虫の関係は切っても切れない腐れ縁で、宿主にストレスや体調不良がなければ大きな問題は発生しない。 最悪、発症したとしても、プラジのように一時的にでも食い止め、駆虫することが出来れば、その沈静化してる間に健康状態を復調させ、再度感染してもそれに打ち勝つ体力さえ取り戻すことが出来ればいいのだから・・・。
結局、何が言いたいかと言うと、完全に駆虫&予防して「寄生虫がいない水槽」を作るのも「寄生虫がいても発症しないディスカス」を作るもの結果的には同じことではないだろうか? 寄生虫がいたらいたで、何らかの問題があった時に適切に処置できればそれでいいことだし、完璧な設備は一般人にはマネできないことなんだから、それを正しい答えだと思う必要もないんじゃないだろうか???
=ダクチロギルス=
日本国内では十数種(14種だったかな?)のダクチロギルスの仲間が存在すると言われています。駆虫にはプラジカンテルを初めとして、ホルマリンやトリクロルホン(マテゾンなど)、過マンガン酸カリウム、海外ではフルベンダゾール、イミダゾールなどが使用されるようですが、ダクチロギルスの種類によって薬品に対しての感受性の違うので確実に全ての吸虫を駆虫できる駆虫薬はないのかもしれないけど、比較的安全でターゲットが広いのは今回も紹介させてもらったプラジカンテルだと思います。
この虫の最大の特徴は最終宿主から最終宿主に感染するので、エラに付き、卵を水槽内にばら撒き、孵化したものが浮遊して水と一緒に口→エラへと寄生するものなので、水槽に魚がいれば永久的にこのライフサイクルを繰り返します。 だから完全駆虫がもっとも難しい厄介な寄生虫の1つ。
また同じような症状を引き起こすものとして、ギロダクチルス(胎生)という吸虫も存在するが、これは主に低水温時に発生する吸虫なので、ディスカスや熱帯魚での寄生、発症は少ないと思います。
=今回の処方=
前回同様 250mg/100L で5日間の薬浴予定。(ドロンシット錠を使用)
水質の悪化を考えると毎日水飼えして薬剤を入れ替えたいところだけど、1回あたり3000~4000円の薬なので、魚たちにも少しはガマンしてもらおう!
061.転覆病考察 [魚の病気]
この仔を含め、今まで3匹のディスカスを転覆病(浮き袋障害)で死なせてしまいました。転覆病はランチュウの世界では、よくある病気ですよね?しかしディスカスでも発症例はおおく、その大半は治療困難でそのまま痩せて死んでしまう不治の病です。
転覆病の考察をたてる前に、まず魚の浮き袋の一般的な機能について・・・。
浮き袋は空気(酸素、二酸化炭素、窒素の混合ガス)の詰まった体内に空いた空洞で、魚たちはエラから毛細血管を通して血液の余分な空気を溶かしたり必要な量を取り出したりして浮き袋の調整を行っています。
この浮き袋の機能を踏まえて転覆病の考察に入りますが、まず転覆病には慢性的なものと急性的なものがあると私は考えます。ディスカスが暴れた時に頭部(脳・三半規管)に損傷を受け、一時的または永遠に正常な体位を保てないものを急性だと考え、この場合の特徴として、逆立ちではなく、ヒラメ状態で底に横たわっていたり、ストレーナーに寄りかかっていたり、急に暴れたりします。
それとは違って、慢性的な転覆病は、徐々に浮力調整ができなくなり逆立ち状態になり、最終的には捕食もできなくなるほど衰弱します。慢性転覆病の原因は上の浮き袋の機能から2つの器官が重要になります。それは「エラ」「毛細血管」です。エラ病を患った個体や肥満、高齢化した個体は徐々に逆立ちしていきます。エラ病が原因の場合、長期間正常なガス交換が行われなかった結果、浮き袋に障害が生じます。また肥満が原因の場合は脂肪による臓器の圧迫で浮き袋の位置がずれたり、毛細血管が正常に血液や酸素を送れなかったりするのが原因ではないかと考えています。
転覆病(特に慢性)の治療は非常に困難で、残念ですが一度患ってしまったら完治しないと思いますので、予防を心がけることしか出来ないと思います。予防としては、急性に関しては、ディスカスが暴れないように水質を良好に保つことと、部屋の出入り口付近に水槽を設置しないこと、そして照明をいきなりつけないなど、ディスカスがビックリしないような環境を作ることと、暴れた時に水槽面や障害物に激突しないような広いスペースを確保すると事故は発生しにくいと考えます。
慢性に関しては、常にエラの状態を確認し、調子が悪いようであれば直ちに処置を行う。そして内臓脂肪が浮き袋を圧迫しないように栄養バランスを考え特に高齢化し始めたら給餌量と脂肪分に注意する。また高温飼育は老化を早めるとともに血流量も必要以上に多くなるので過度に代謝を高めないように長期間の高温飼育は控えるなどエラと血管に負担の少ない飼育をすれば発症はかなり抑えられると考えています。
この仔の死は非常に残念だった。こんなフルラインのグリーンは滅多にいないのに・・・。背びれも綺麗に伸びて今から赤も揚がってくると思った矢先に転覆病になってしまった。アホな飼い主の所に来たばっかりに・・・。
この仔の場合、長期間エラに問題があり、ホルマリンや抗生物質などで治療してみたが、エラ吸虫だったみたいでなかなか復調できなかったのが原因だったと思う!?この仔の死後、プラジカンテルでのエラ病治療を行ってから転覆病になる仔はいなくなった。
055.リンホシスチス病 [魚の病気]
(lymphocystis disease virus(リンホシスチス病)/LCDV病)
ペルビアンのちびたんは導入当初から胸鰭付け根に腫瘍ができる。できたかと思えば消え、またできる・・・。見た目から有効と思われる病魚薬は色々試してみた。グリーンFゴールドやエルバージュ、パラザンDなどなど。しかし症状は緩和されない。人間用抗生剤、ミノマイシン、フラジールなども発症時には効果はない。
嫁入り道具として嫁が持ってきた本から魚病学、ウイルス学、寄生虫学などの色々調べたところ lymphocystis disease virus(リンホシスチス病)/LCDV病である可能性が高いことが分かった。 LCDV病は感染経路は明確ではなく、放置しておけば治癒する。死亡率は極めて低いと いう DNAウイルス。このウイルスは、孵化するまえに感染する(親からの遺伝も含めて)場合も多く、ウイルスが細胞内に生涯住み続けるようで、それがストレスや何らかの体内バランスの変化で発症して、 患部にバクテリアなどの細菌がついて、腫瘍になるようです。
この病気が発症した時に気をつける点は患部をエロモナスや原虫による二次感染で侵されないようにすることくらいしかできないようです。
以上、治したくても治せない。でも直接死には関係しないLCDV病の報告でした。
薬浴の効果があってディスカスたちは日々立ち直りつつある。エルバの効果が持続するのは3日前後であるようなので今日水換えを行い再度規定量のエルバと0.2%の塩を入れた。予定では月曜日に水を全換えして薬浴終了。
今日は19:00から予定していた仕事がキャンセルになったので、わさわさになってた水草水槽のメンテナンスをやった。グリーンロタラ(レッドタイプ)を約200本ほど差し戻して水槽内に均一に光が届くようにトリミング。その後固形肥料を打ち込み水換え。2時間かかった・・・。(>_<)
053.穴あき常習犯 [魚の病気]
最初は管理ミスだと思い薬浴に経口投与、水質を色々調整して病気の進行を阻止しようと悩みまくったけど、もうここまで再発を繰り返すと管理というよりこの仔のクセみたいなものだと諦めるしかない。穴が開くときは開くし、治る時は徐々にだけど勝手に回復して塞がる。
2007.2月号のALにオスカーの頭部穴あき病の記事があったけど、その中には腸管内のヘキサミタ等の寄生虫の数が増えた時に現れる症状で治療にはメトロニダゾール(フラジール)などの抗原虫薬が有効で3日ほどの経口投与で回復するとあるが、この仔の場合、この治療では効果は出ない。もともと腸管の免疫低下が起こりやすいのだろうか・・・・。
024.エラ吸虫 [魚の病気]
ホルマリンが有効であるとされているが、個人的な見解では、ホルマリンで確実に治療できた試しがない。一時的に沈静化するものの数日すると再発したり、エラが開きっぱなしで改善しなかったりとあまり効果がなかった。その上、治療中のホルマリン臭や濾過バクテリアへの大きなダメージなど使用後の厄介な問題もある。
今回もエラ病治療で何度か使ってみたが、やはり効果が得られなくて、いよいよ新薬のプラジカンテルの投薬を行ってみた。使用後の感想は「あっぱれ!」の一言。 エラの症状が見事に3日で回復した。濾過バクテリアへの影響も全く感じないし、臭いも全くない。
ただ、この薬の問題点は処方箋が必要なことだったが、これも水産用のハダクリーンという製品が発売されたので問題にはならないようだ。1袋3万円とかなり高価な薬ではあるけど、1袋あれば使えきれないくらいの量なので仲間で分け合えばいいのではないだろうか?日本動物薬品あたりが小売してくれれば、ディスカスのエラ病で悩んでいる人にはとても有難い話なんだけど・・・。
用法容量は水量100Lあたりプラジカンテル250mgで1週間薬浴し、1週間あけてまた同じ用量で薬浴。1、3、8週の間隔で使えばほぼ完全に駆虫できるらしい。
023.プラジカンテル [魚の病気]
梅雨~夏にかけての高水温と水質を安定させることが出来なかったため、ここまでエラにダメージを与えてしまった。ディスカス飼育で定説のように言い伝えられているホルマリンによる駆虫(1ml/10L)も何度か行ってみたが、一時的な治療にしかならなかったので、今回はゲーベル考案のプラジカンテルを使ったドイツ式のエラ吸虫駆除を行ってみた。とりあえず半信半疑の投薬であったが、プラジカンテル(ビルトリシド錠)を適量2.5mg/Lを投薬してみた。すると翌朝には早くも目に見える効果があった。エラがほぼ正常な動きをしていた。それも3匹とも。
プラジカンテルでの治療は、他の寄生虫駆除と同じで成虫にしか効かないため水槽内から完全に駆虫するには1週間の薬浴の後、隔週で何度か行う予定。今まで長い年月魚を飼ってきたけど、今回のように目に見えて効果がでる治療は初体験!まだ投薬後3日しかたってないけど、かなりの手ごたえを感じる。考案者をただただ尊敬するばかり。
020.頭部穴あき原因と対策 [魚の病気]
我が家のアッパーテフェも全ての点においてこれに該当する。このことから、栄養過多で肥満体型の個体の内臓でヘキサミータが増殖し、頭部にニキビ状の潰瘍をつくりやがて穴があくと考える研究者や愛好家が多いようだ。また、自作のハンバーグにポポンSなどの人間用ビタミン・ミネラル配合剤を過多に使うと穴あき症状が出たという報告もあった。
結局のところ、人間で言う生活習慣病(贅沢病)と同じような感じなのかも知れない。この穴あきを発症させない為には、十分に成長した成魚に対しての給餌のバランスを考え、定期的な駆虫を行うことがポイントのように感じた。
ちなみに我が家では朝ハンバーグ、昼と夜2回赤虫を与え、月に1回虫下しハンバーグを3日連続で与えて様子を見ている。