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401.リセット [AQUAな雑学]

先日、会社内のレクリエーションと関連業者との親睦を兼ねてカート場を貸し切ってのレーシングカートをやってきました。車の運転にはそれなりに自信があったのですが、初体験のレースは普通の運転とは違ってなかなか難しくお世辞にも速いとは言えないタイムで悔しい思いをしましたがかなり面白かったです。しかし遊びだと思っていたカートですが、最高速で60km/h以上出ますし、コーナーを駆け抜ける時の重い横Gは思いのほかハードで首や腰、そして重いハンドルを握っていた手は全て筋肉痛で大変でした。(^^ゞ
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ってな感じで全身筋肉痛なのですが、かなり調子が悪いチョウセンブナ水槽を見て見ぬふりは出来ませんのでダルい体にムチ打ってリセットを行うことにしました! もう屋外の1t池もそれなりの水温になっているので、本来は無加温でもOKな種と言う事もあったので、とりあえず池にチョウセンブナを移動し水槽の殺菌を行ったのですが・・・。

皆さんはリセットの時ってどのようにされますか!? 恐らく魚を出して洗って水を入れてって感じでしょうか!?たぶんそれでも全く問題ないのだと思いますが、ウチではリセットの時に薬品や熱湯を使ってほぼ無菌状態にリセットするようにしています。ここまで必要ないといつも思うのですが、性格的に洗っただけでは気持ち悪くて毎回薬品を何にしようか考えて楽しんだりして・・・。たぶん普通にリセットするのが退屈なのでこんな面倒なことしているのでしょうね!?(^^ゞ

ってことで、単なる自己満足のリセット方法なのですが、私と同じように無菌にしてみよう!っと思って頂ける方がいるかも知れないのでとりあえず記事にしてみました。で・・・。今まで使った薬品はエルバなどの病魚薬、キッチンハイター、オキシドール、竹酢液、クエン酸、ホルマリンなどなど。

砂が入ってなくてスポンジフィルターを使ってないシステムの場合はいつも決まってキッチンハイターかホルマリンを使っています。後処理の面から言えばホルマリンが一番手っ取り早いのですが、これはニオイもありますし有毒ですし、何より廃棄に気を使うので最近はあまり使いませんが、魚だけ出した水槽にそのまま原液を数ml投入するだけで恐らく菌も虫も即死だと思います。ディスカスを沢山飼っていた時にはよくやっていました。ホルマリン消毒では、システムはそのまま回して濾材も入ったままでホルマリンを投入して数時間放置して、その後100%水換えするだけで完了ですからとても楽ですからね~。でもやはり害はあるのも嫌ですし、ガラスやシリコンのコケが気になる場合はキッチンハイターを使います。これもシステムはそのままで回したまま投入するだけ。しかし殺菌、漂白後は念入りに全てを洗い、カルキ抜きを大量に入れて完全に塩素を抜く必要があるのでとても面倒ですが一番綺麗にはなります。

その他のリセット方法としては、水槽水を強酸性の水にして滅菌する方法で竹酢やクエン酸を大量に入れて数日放置する方法も使います。これだと処置後水だけ綺麗に換えてあげればほど魚には無害ですので安全性は一番高いように思います。今回のチョウセンブナ水槽でもこの方法を使いました。他に上で書いたオキシドールという手もあります。これもかなりの殺菌効果があるのでよく使います。リセット以外でもちょっと手に負えないような穴が開いた魚や激しいキズが着いた魚がいる場合には薬浴としてオキシドールを飼育水に投入することもあります。これが意外と効きますが用法用量が若干難しくて下手したら死んでしまうこともあるのでここでは詳しく書きませんが錦鯉の治療などでは時々使われます。

ってな感じで、今回は魚移動後にオキシドールを入れて泡ブクブクを楽しんだ後に数日してから竹酢とクエン酸を入れてph3以下の生物が生きていけない水にしてW消毒をした後、水槽を中性洗剤で洗ってからセットしました。ただこの水槽の濾過システムはスポンジフィルターのみなのでスポンジフィルターは中性洗剤では洗わずW消毒後に水洗いをし、熱湯に数分漬け込んでばい菌くんにはさよならしてもらいました。ここまで殺菌すればたぶんもう悪さをするものは残ってないと思います。


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381.雌雄性比 [AQUAな雑学]

改めまして、新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりましてありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。<(_ _)> さて…。2012年のお正月は如何お過ごしでしたか!?私は例年のように元旦の朝に近所の成田山大阪別院に初詣でに行ってきましたが今年は参拝する人が少なく、またショッピングセンターでも人が少なく…。どこに行ってもこんなに人が少ないお正月は初めてでした。何でかな!?
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ってことで、今年1発目のネタは何にしよう…。っと寝ころんで水草水槽を眺めていると、知らない間に殖え続けているガードネリーに目がとまりました。寿命がきたらもう終わり!っと思っていたガードネリーですが、不思議なものでこんな風に思っていると途絶えることがないんですよね~。(^^ゞ 殖やす気もないので初期飼料でブラインを与えたりもしなかったのですが、それでも何かを食べて立派に育っています。現在60ワイドの水草水槽に30匹以上の親魚とその親魚が次々と卵を産みつけて孵化して水草の間でちょろちょろしている稚魚が多数…。殖え続けています。(^_^;)

まぁ~こんな感じで順調に?増え続けているガードネリーなのですが、1つ問題が発生しております。その問題とは…オスがかなり少ない!! 30匹以上の成魚がいるにも関わらずオスが2匹しないない。何ででしょう!? 一般的にこの世に生きる全ての動物は自然に雌雄の性比が半々になるものだと言われています。が、我が家の水草水槽では確実にメスが多い。
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ガードネリーに限ったわけではないのですが、実は水槽内ブリードでは性比が半々になることって案外難しいんですよね。過去に色々な魚種をブリードしたことがありますが、やはりどちらかに偏ることが多く、その時に調べたことや感じたことをこの機会にちょっと書いてみようと思います。

人間の場合、受精した時点で雌雄が決定するのはご存知だと思います。またウミガメやワニなどの爬虫類は孵化に至る時の温度で雌雄が決定されるというのも聞いたことがあるのではないでしょうか!? じゃ~魚は??? これが魚の場合、色々な要因があるようなのです。 爬虫類と同じように温度(水温)説もあります。またphやGHといった水質説もあります。他にもナイルパーチのように小さいうちはオスで大きくなるとメスとか、アフリカンシクリッドの中には群のなかで一番大きな魚がオスになるなど魚種によって雌雄のあり方がかなり違うのですが、一般的な魚種で私が実験して意図的に何となく性比を変動させることが出来たのはph説でした。
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例えば南米シクリッド(アピストの仲間)では通常設定より酸性にphを設定するとオス。通常設定(中性)ではほぼ半々。アルカリ付近に設定するとメス…。もひとつ例えばメダカは酸性に設定するとメスが多くてアルカリに設定するとオスが多いとか…。でも意図的に産み分け?させようとphを設定しても上手く行かなかった場合もありました。

そこで考えたのがストレス説。魚にはそれぞれの魚種に適したphや環境がありますが、その適正値から体調を崩さない(死なない)程度にストレスがかかるような設定すればメスになりやすい!! 上の例では弱酸性の軟水を好むアピストなどにアルカリというストレスをかければメスになり、メダカのようにアルカリを好む魚に酸性というストレスをかければメスになる。この世の全ての生き物は種を存続させて行くために劣勢な状態ではメスの確率が高くなり次の子孫を残しやすくする性質がある?みたいな記述を繁殖学の論文の中でみたことがあるので単純にphが高い低いではなくストレスが多いとメスになるのかなぁ~っと今ではそう思っています。

また、昨今言われている環境ホルモン(女性ホルモン様物質)も無視できない要因の1つではないかとも思っています。この女性ホルモン様物質とは一般的にエストラジオール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ビスフェノールAなどが挙げられまずが、この全ての物質は動物をメス化させると各種研究機関の実験で証明されています。なかでもビスフェノールAはポリカーボネート製のプラスチックやポリ塩化ビニールなどに使われており、水や食品の容器など普通に身の周りにあるほとんどのプラスティック資材に使われています。またこれらは酸や熱によって水に溶けだす性質があります。

…ってことは恐らく水槽備品にも使われたりしてるのではないでしょうか!? 濾過器などのストレーナーとかヒーターカバーとか色々…。もしそうであれば、この物質が知らず知らずの間に水に溶けて水槽内に女性ホルモン様物質が入り込んでメス化しやすくなっているのではないでしょうか!? まぁ~何にしても我が家の水草水槽で爆殖しているガードネリーのメス(偏った性比)は環境が悪かった(各種ストレスがあった)証拠なので、殖えたからと単純に喜んだりしてはいけないのだと反省しております。例え望んでない爆殖だったとしても…。(^^ゞ




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375.流しそうめん [AQUAな雑学]

日曜日に行われた大阪知事&市長選…。投票に行ってきました。私は大阪府民だけど大阪市民じゃないので知事選だけの投票でしたが、とりあえず大阪維新の会に一票を。別に橋下元知事(現市長)を100%支持するわけではないし、彼の考えが全て正しいとも思いません。しかし、誰がやっても何も変わらなかった…っていうか慣例のまま変えようとする気がなかった府や市のありかたを少しでも良い方向に変えようとする気持ちが素晴らしい。実際に何かが変わるにしても変わらないにしても、また大阪都なろうがなるまいがどちらでもいいのですが、暗い話ばかりの政治の世界で明るい革命を期待したいと思います。
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ってことで今回のお題は「流しそうめん(流量)」。前回の続き的な感じの内容です。前回は上部と外部について書いたのですが、その後半で上部と外部を両方使えば「ルームランナーでスピード全開で走っているような状態。これは魚にとって非常に迷惑な話です。」なんて書きましたが、これは魚にだけが迷惑な話ではなくて実は濾過細菌にも迷惑な話なのです。

例えば普通の60cm水槽の上に乗っける上部フィルターの仕様について考えてみると…。だいたいどこのメーカーも10L/1分くらいが基本の流量になっています。これは1時間稼働すると600Lの水を汲み上げる。そして60cm水槽の場合、約50Lくらいの水量ですので単純計算で1時間で水が12回転することになります。そして今度は90cm水槽の仕様を同じように計算すると汲み上げ量は14L/1分なので840L。そして90cm水槽の水量は約150Lなので1時間で5.6回転となります。

ん?水槽は大きくなってるのに回転(循環)は半分!? って疑問に思いません? そうなんです。水槽が大きくなればなるほど循環する回転数が減っていくのがAQUAの常識なんです。普通に考えれば水槽が大きくなればそれに見合ったパワーのモーターをつけて60cm水槽と同じように回せばいい!って言うのが常識っぽいのですが、この辺が各メーカーとも考えて、実験して出した結論で90cm水槽では1時間に12回転もさせる必要がないと言うことなのです。ってか逆に12回転させると濾過効率が悪い!っという判断なのです。ではどうしてこんな反比例のような流量になるのか…。

これはちょっと前のコメント欄でも書いたのですが、流しそうめんを例にして説明すると…。そうめんが水の汚れ。それを食べる我々人間がバクテリア。流れてくるレーンの長さが水槽の水量。そして流れるスピードがポンプの流量と考えます。そうすると早いスピードで流れてくるそうめんを逃すことなく全て掬って食べるのは至難の業ですよね?その上、短いレーンだと更にスピード感が増し掬うのもイライラする!でも長くゆとりのあるレーンでゆっくり流れてくれば掬うにも食べるにも余裕がある。って感じで水がゆっくり長く回る方が濾過バクテリアにとっては楽に食事(仕事)が出来ると言うことになります。…ってことで濾過をゆっくり回す理由はご理解頂けた?っと思います。
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長いので休憩…。この記事に関係ないけどトラの水換えシーンを載せてみたりして。(-。-)y-゜゜゜
では今度は、ゆっくり回すのが良いはずなのに60cm水槽の濾過器は何で12回転もするのか?っていう疑問。これも上と同じ定義のもとで考えると、90cm濾過器と60cm濾過器の異なる大きなポイントの1つとして収容できる濾材の量が違うと言うこと! 上部濾過器の場合、設置出来る面積と言うか体積と言うか…。決まってますよね?60cmの濾過器ではだいたい1Lの濾材が収容できますが90cmであれば基本的にどのメーカーでも60cm濾過器の3倍以上(水槽水量は3倍なので同条件で考えるなら3Lですが)それ以上の濾材が収容できます。この辺はメーカーによってかなり違いがあるので明確には書けませんがウチの90cm上部は5Lくらいの濾材が収容できます。

つまりは、普通の60cm上部濾過器の場合、基本1Lしか濾材は入りませんので定着できるバクテリアが少ない。ここでまた流しそうめん方式を利用して計算すると…。短いレーンで1人しか掬う人がいない。でもそうめんは流れてくる。ただ単に掬っておわんに入れるくらいなら大丈夫でしょうが食べなければ濾過したことにはなりません。なので食べる時間が必要になりますので、おわん満タンまで掬ったら流れてくるそうめんはとりあえずスルーして先に食べる!そして食べ終わったらスルーした分が戻ってくるのを待ち、また掬って食べる!スルー!食べる!の繰り返しが必要なので、のんびり回ってくるのを待ってると水の汚れが一向に綺麗にならないのでそれなりの回転数が必要?っと言うのが私の流しそうめん理論なのです。

こうやって考えれば前回推奨した外部→上部の連結濾過の有効性やポンプを無駄にパワーアップする必要がないことが分かって頂けるでしょうか!? あまり神経質に考えない人は上部+スポンジフィルターなどの組み合わせで無難に飼う人も多いのですが、ある程度飼育年数(経験)が上がるとシステムの強化に力を入れ過ぎて失敗してしまうことも多いのでやはり初心、そして基本設定が一番だってことをいつも念頭に置く方が飼育は上手く行くのでしょうね!?…って偉そうなことを言ってますが実はこの記事を書きながら基本を思い出しつつ頭の整理をしている私です。(^^ゞ
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374.上部vs外部 [AQUAな雑学]

先週末の話。最近食欲旺盛のトラとのお約束で水換えの最中にワカサギを鱈腹(タラフク)食べさせるようにしています。その理由はワカサギは油が多いし生臭いので水換え中であれば水が汚れても直ぐに綺麗に出来るから。そしてワカサギを与える時はスキンシップを兼ねて水槽内に手を突っ込み手から餌を食べさせる! なんてことをしてひとり楽しんでいたのですが…。

111111209955.jpgその日は何を血迷ったのか勢い余って右手人差し指を根元まで呑みこまれてしまいました。ALだかFMだかの大型魚の特集号で「ダトニオに手を噛まれても痛くない」なんてことを書いていた記事があったのですが、あれは信用しない方がいいかも知れません。 20cmくらいのダトニオなら大丈夫かも知れないけど50cm級のダトニオに指を呑みこまれると痛いです!ダトニオにはピラニアのような鋭い歯はないけどブラックバスのように口腔内は粗目の紙やすり状態でザラザラ。更に咽の奥には咽頭歯のような硬い逆流防止弁があり、一度呑みこんだ獲物は逃げだせないようにそこでロックされます。指先がそこにロックされたものだから引っ張っても振り払っても指が抜けない! そしてトラも指をエサだと思いこんでいるので呑みこめないから引き千切ろうとして左右に激しく頭を振る! 顎の力も強いので打撲のような痛みと腫れ、第一関節から根元まで粗い紙やすりで削られたようキズ…ボロボロです。痛い! よい子は真似をしないようにね。(>_<)

ってことで、前置きが長くなりましたが今日のお題です。上部と外部はどっちがどうよ!?…っていうお話です。さて皆さんはどちら派でしょうか? 私は両方使いますが飼育魚の種類や作りたい水質によって使い分けたりしています。やはりメリット、デメリットを知っていないとせっかくの濾過器が機能しないように思いますのでね。…ってことで、まずは上部と外部のメリット&デメリットを一覧にて!

上部フィルター 
メリット
デメリット
◆メンテナンスが簡単。◆水に十分な酸素が入る。◆好気バクテリアが機能しやすい。◆立ち上がり早い。◆ろ過能力が長期間安定する。◆濾材を簡単に変更出来る。 ◆音がうるさい。◆停止後再始動すると汚れが出てくる。◆濾材収容量が少ない。◆水草水槽には使えない。◆蛍光灯が1セットしか設置できない。◆力の強い魚はストレーナーを突き上げてしまい水漏れの可能性がある。◆水流(流量)調整が出来ない。◆水の透明度が外部に比べると悪い。◆濾過槽に汚れが溜まると臭うし虫が湧く。◆手入れを怠り過ぎると水があふれる。


外部フィルター
メリット
デメリット
◆音が静か。◆濾材の収容量が多い。酸素を混入させないため水草には適している。◆密閉、加圧式なので濾材に均等に水が回る。◆透明度が高い。◆ストレーナーなどの位置のレイアウトが自由自在に出来る。 ◆メンテナンスが面倒。◆濾材の取り出し、交換に手間がかかる。◆密閉式なので好気バクテリアの活性が悪い。◆立ち上がりが遅い。◆別に設置場所がいるのでかさ張る。◆濾過済みの水の酸素量が少ない。◆セットをミスると、またはOリングが劣化すると水漏れする。◆本体価格が高い。◆濾材が目詰まりすると流量が極端に落ちてろ過能力も低下する。

などなど、細かく言えばもっとあるのですが、とりあえずはこの辺で勘弁しといてやろう! ってことで主にデメリットを中心に例をあげてみました。以上を踏まえてどっちのフィルターがどんな環境に適するか!?ですが、基本的に60cmや90cmで魚をメインに飼うのであれば上部が適していると思います。上部の一番優れている面はフィルター内を水が空気と触れながら回りますので立ち上がりが早く、ろ過能力も長期間安定します。また十分な酸素があるために別途エアレーションがいらない。また急な薬浴が必要で吸着濾材が入っていたとしても取り出しが簡単で色々なケースに即座に対応できる点が素晴らしいと思います。

しかし、水草を積極的に使う場合には大量の酸素が混入するので水草の光合成に必要な二酸化炭素が足りないのと読んで字のごとく「上部」に設置しますので蛍光灯をたくさん設置することが出来ない。こうなると栽培できる水草の種類が限定されますし成長も悪くなります。ってことで魚をメインに手間無く飼いたいのなら断然上部がおススメと言うことになります。

1111108069542-616b4.jpg一方外部では、上部と反対に酸素量が少ない濾過環境になりますので水草には必ず必要なシステムと言えます。また立ち上がりの安定性には欠けるものの安定した時の透明度は素晴らしく水草や魚がひときわ美しく見えます。そして密閉式なので濾材は低酸素ぎみにはなりますが、ある程度の期間使い続けた外部では好気と嫌気の中間的なバクテリアが繁殖するとも言われていて水槽内では難しいと言われる脱窒も行われているかも知れない!?っというデータもあります。もし本当にこの脱窒が行われているとすれば、水換え以外では排出出来ない硝酸塩も分解できるため本当に無害な水にまで浄化することが出来るのかも知れません。それを証明出来ているのかどうかは分かりませんがウチのトラ水槽はかなりの安定度で結構放置しているにも関わらず水槽内の有害物質のレベルは各種測定キットでほぼ0に近い数値になっています。

ってな感じでそれぞれのメリット&デメリットをあげましたが、このように書けば「じゃ~両方使えばいいじゃん!」って言う私のような天のジャッキーさんが出てくると思います。でも普通に魚を飼うだけであればどちらか一方で十分です。それに両方使うとなればストレーナーなどのパイプ類を最低3本水槽内にいれなければならないので見た目的にゴチャゴチャしますし、両方を稼働するとかなりの流量になります。まるで洗濯機のように…。こうなれば水は綺麗になるかも知れませんが魚はルームランナーでスピード全開で走っているような状態。これは魚にとって非常に迷惑な話です。

こういう場合は、トラ水槽にも使っているのですが、稼働するモーターは外部のみで普通にセットした外部を動力にして外部で濾過済みの水を上部に汲み上げてその水を上部濾過槽で更に濾過するというシステムにすれば流量の問題もクリアになりますし、水質もかなり安定します。ただ連結した分、掃除は面倒になりますがね…。しかし、それに見合ったメリットは十分にあると思います。(もちろん水草には使えませんが。)
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324.phが下がらない [AQUAな雑学]

先日、いつものように面白いものがないかと熱帯魚屋で物色していると「セットして2ヶ月も3ヶ月も経つのにphが下がらない。世の中phが下がりすぎて困ってる人が多いのにウチの水槽はどうして下がらないの?」っと店員に尋ねているお客さんがいました。 phの低下で悩む人が多い反面、phが低下しないで悩む人も結構多いんですよね。実は私もそうでした。 でも別に悩むことはないんです!どちらかと言うと下がるよりは下がらない方が魚にはいいことですから!
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まずphが下がる理由について考えてみると大きく分けて2つ。1つは餌や糞から出るリン。もう1つはバクテリアの分解によって出来る硝酸。もちろんこの他にも理由はありますがAQUA な常識ではphが低下する大きな原因はこの2つということになっています。つまり、いつまで経ってもphが下がらないということは言い方を変えれば残餌や糞による水の汚れが少なく、汚れが少ないのでバクテリアの餌がないためバクテリアの数が少なく大量の硝酸を吐き出さない!っということになります。

こうやって聞くと「汚れが少ないからいいことなんじゃないの?」って気分になりませんか?そうなんです! どちらかと言うといいことなんです。でもそういった考えを惑わすのが(不安にさせるのが)「ディスカスは弱酸性で飼わなければいけない!」とか「この魚は弱酸性じゃないと色が出ない!」なんていう数値主義の人が植えつけた誤った常識!

過去にも何度か書きましたが、アマゾンや東南アジアのphや硬度の低いブラックウォーターは濾過が効いててphが低いのではありません。そもそも自然界では水槽で行われるような濾過システムはほとんど存在しません。ため水を循環してバクテリアをフルに機能させる川なんてありませんからね。自然界でphが下がるのは落ち葉や朽ちた木が分解されて出来たピートのようなもの(腐植酸)が川に流れ込むから。そして川の水にアンモニアや亜硝酸が皆無なのは毎日のように降る雨や湧き水で常時注水垂れ流しシステムのような状態だから・・・。

どうでしょう?こんな風に書くと、水槽で行われている濾過というシステムが自然界とは全く違うことがお分かり頂けるのではないでしょうか? 水槽でバクテリアを使った濾過(ph低下)ではphの数値だけ見れば同じかも知れないけど、硝酸やリンによるph低下であって自然界の水とは性質が全く異なるんですよね。だからと言って濾過システムが無意味だという事ではありません。これがあるおかげでアンモニアが亜硝酸になり亜硝酸が魚に害の少ない硝酸塩になるのですから。また上手く行けば一部は嫌気濾過によって窒素となり全く害のなくなるものになるかも知れませんしね。ちょっと話を戻して、phが下がらないとお悩みの方は次のことに気をつけると必ずphは下がると思います。

1.水槽容量に対して収容匹数が少ない。2.水換え、濾材の掃除頻度が高い。・・・ほとんどがこの2つのパターンだと思うのですが、魚の数が少ないと排泄物も餌量も少ないのでバクテリアの餌であるアンモニアの発生量が少ない。また水換えを頻繁に行うとこれまた水の汚れが少ないのでバクテリアの餌がない。つまりは餌がないので(水に有機物が少ないので)バクテリアも殖えないのでphは水道水のphに近いまま変動が少なくphの高い水になってしまいます。

3.餌に赤虫しか与えない。入れて直ぐに食べきれる量しか与えない。・・・赤虫と人工飼料を比べると赤虫はphを下げません。逆に人工飼料は主成分がシュリンプミール。つまりエビのすり身を使っているのでエビに多く含まれるリンが水に入れた瞬間に溶け出してphを下げることがあります。即丸呑みタイプの魚ならリンの流出は少ないですが、数分でも水面を漂うような餌やりをしているといくらまめに残餌を取り除いたとしてもphは低下します。

4.水道水のph、特に硬度が高い。・・・試薬で測定すれば直ぐに分かりますが、水道水のKHが5以上ある地域にお住まいの方はphはなかなか下がりません。我が家の水道水もKHが高めなのですが、基本的に大きな川や湖から供給されてる水道水や標高の高い地域、沖縄のように地盤に石灰岩が多く含まれる地域の水では思ったようにphは下がりません。

5.濾材を沢山入れてる。phを上げる性質をもった濾材を使っている。・・・基本的に普通に市販されてる(phを上げると特記のない)濾材でも新品の濾材を使えばphは若干上がります。1つ1つを見たら大したphの上げ幅ではないのですが、これを必要以上に沢山入れているとそれぞれが少しずつphを上げて水槽全体で見れば1ポイント以上phを上げる場合もあります。取説に書いてあると思いますが、どんな濾材でも水50Lに対して濾材1L程度が目安なのでphが下がらなくて困っている人は濾材の量を取説の通りに入れてみてください。

以上、この5つに気をつけて管理すれば日本国内であれば恐らくどこでもph7.0以下の弱酸性の水を作る事が出来ると思います。コツはほどほどに水を汚し、ほどほどに水換えをして、ほどほどに手を加える。几帳面な人にはこのほどほどが難しいと思いますが、ほどほどに管理しないといつまでたってもphが下がらない水になってしまいます。ちなみに350Lに3匹しか入っていない我が家のディスカス水槽のphは水換え直後で7.0。1週間後で6.7程度・・・って感じでほとんど下がりません。水換えも一度に100L以上換えると7.5くらいまで上がっちゃうので最近はホントに今回のタイトルの通り「phが下がらない!」って状態です。(^^ゞ

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310.漂白開始 [AQUAな雑学]

だんだん雲行きが怪しくなってきました!(ーー;) ディスカス水槽の水質が水換えと給餌コントロールだけでは1週間維持できなくなってきた! 騙し騙しで引っ張ってきたので水換え前の最低phは5.0前後。生態の負担を考えるとphの上げ幅は1ポイントちょっとなので1度の水換えでは6.0前後までしか上げられない。しかし水槽内の有機酸(乳酸、ラク酸、酢酸、燐酸など)が緩衝剤として働くので、例え多めに水換えをしてphを上げたとしても数時間いや、数分後には0.5ポイント近く戻ってしまう。ディスカス飼育定番の悪循環(水換え地獄)に陥ってしまっている。
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・・・ってことで、今週末から少しずつ気温が下がるという天気予報に大いなる期待をして、いつでも濾材交換が行えるようにリング濾材の再生を行いました。以前「093.濾材漂白」でも同じような内容を書きましたが、前回は写真による説明がなかったので、今回はチクイチ写真で記録しながらリング濾材の再生方法をお伝えしようと思います。 まずは上の写真から!ウチでは最近、メーカー品の漂白剤使わず業務スーパーなどで売っている安物の漂白剤を使っています。理由は安いし泡がでないから! メーカー品は確かに綺麗になりますが、使ったことのある人ならご存知のように泡が出て漂白後にそれを綺麗に流すだけでも大変。でもこの業務スーパーの安物なら泡は出ないのですすぎが楽ですし、なにより1本78円ですし!!ってことで、10Lバケツに濾材を入れてドボドボと遠慮なく漂白剤を1本全て投入して水をはって最低1日(24時間)漬け込むことにしています。
30749.jpg漂白は時間をおいても新品のように白くならない場合もあります。特に長年使うと黄ばみのようなものが残りますが、漂白剤で落ちない汚れのほとんどは材質そのものが酸などで焼けていたり、変性したりしている可能性が高いのでムキにならずある程度白くなればOKってことにしておきましょう。1日~3日漬け込んで取れない汚れは何日漬け込んでも恐らく綺麗にはなりませんのでね。 ってことで、ある程度漂白が出来たら次は煮沸に移ります。煮沸にはいつもこのアルミ鍋を使っています。年期物でしょ?(^_-)-☆ 流水で綺麗に漂白剤を濯いだ後、この鍋に入れて沸騰→水換え→沸騰って感じで3回煮沸します。この理由は一般のキッチンハイターつまり(次亜塩素酸ナトリウム)は沸点が101℃なので煮沸すると揮発するか、分解して無くなります(分解温度は60℃)なので普通は沸騰させて5~10分グツグツ煮ると魚に害のある成分は消えてしまうのですが、水生生物という特性上、保険をかけて3回行うことにしています。
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本来ならちゃんと煮沸をすれば問題なしなのですが、更なる保険でカルキ抜きも使ったりしてます。量はこれまた適当にドバドバーっと入れて数時間。その後また水洗いし水に浸けておきます。
1230774.jpg最後に脱塩素&中和を終えた濾材を乾燥させます。ザルや洗濯ネットなど水が切れるものに移し完全に乾燥させるのですが、この目的は濾材交換まで短期間であればそのまま水に浸しておいてもいいのですが、それが未定の場合は水をはった状態で放置しているとコケがでたり、いらぬ雑菌が湧いたりしますのでそれらを防止する為、また孔の中までカラカラに乾燥させることで濾過槽に入れた瞬間に飼育水が素早く濾材内に浸透するのではないか?という意図でいつも乾燥させています。仮に前工程で塩素が抜け切れなかったとして天日干しすることで熱せられて熱分解されますしね。って感じで濾材の漂白再生は完了です。

ちなみにこの漂白再生を行なえる濾材は基本的にセラミックやガラスといった材質のもので更にphや硬度を上下動させる機能をもっていないものに限ります。なのでパワーハウスのハードやソフト、麦飯石やゼオライトなどの吸着、イオン交換樹脂などが入っているものは漂白剤によりその成分が変性したり効果失ったり、下手したら有毒なガスが発生することもあるので、そういった濾材の再生は行なわないでください。またここまで読んで頂いて「でもやっぱりハイターは怖い!」っと直感的に思った方は漂白再生はやめておいてくださいね。無責任かも知れませんが、何かあっても責任は取れませんので!!


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303.水垢 [AQUAな雑学]

最近は10日~2週間に1回1/3程度の水換えで水質を維持できるようになったディスカス水槽。それもそのはずです!総量350L以上ある水槽にディスカス3匹+プレコ1匹しか入ってない水槽なんだから・・・。おかげで水換えに追われることはなくなったけど、何だか少し物足りなさも感じてきました。
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そんな水質管理の手間がなくなったディスカス水槽でも水換えの時にポンプを停止し、水換え終了後にポンプを再始動すると配管にこびり付いた水垢がゴボゴボ出てきます。量的には過密飼育の時ほど多くはないけど、ふやけたコーンフレークみたいなものが数個~十数個水槽内を浮遊してしまう。「せっかくゴミひとつないように掃除したのにまた汚れたー!」っと、性格的には非常にイライラするのですが、魚にとったらこれもいいことなんですよね~実は!!

この水垢の正体ってご存知のとおり餌から流れ出たタンパク質や水道水に含まれていた物質がホース配管の内側に固着した物なのですが、ディスカスを含め雑食性の魚ってコレを好んで食べたりしません??? 少なくともウチの魚たちは(トラや完全な肉食魚以外は)好んで食べていたりします。汚い水垢(ゴミ)なのにね~!? ウチの餌はそんなに美味しくないんか! ちゃんと美味しいはずの餌をあげてるのに、餌以上にソワソワ嬉しそうに水垢を食べるのはなぜ??? はじめのうちは「その行為」を見て「そんなもん食うなよー」っとムカついてましたが、よくよく考えると偏食で有名なディスカスが意味もなく「そんなもの」食べるはずがない!っと思いよく考えてみました。水垢の正体を!! この水垢、水槽に限らず綺麗な水を溜めた容器でもしばしば発生します。1つの例として電気ポットなんで如何でしょう!?ポットの底にはいつの間にか白い固着物質がギッシリ付きますよね?

たぶんディスカスたちのお目当ては水垢として配管に付着したカルシウムやその他ミネラル+タンパク質+それをコロニーにして生きているバクテリアなんじゃないだろうか!?そう考えると本来なら余剰分として役に立たずに配管に固着してるだけのゴミが彼らには重要な栄養源にもなっているのかも知れません。またその水垢に定着したバクテリアも一緒にお腹に入ることでもしかしたら腸内細菌として活躍してくれているのかも知れない。

その証拠になるかどうかは分かりませんが、以前はこの浮遊物を短時間でも水槽内に浮遊させておくのが嫌でポンプを停止せずに水換えをしていましたが、このように考えるようになってから積極的に水垢を食べさせるようにしたところ糞の形状がよくなったんですよね~。実験的に人工飼料だけを与え続けると糞が硬めになるのですが、この時にこの水垢をわざと浮遊させ食べさせると、その硬めの糞がちょうどいい感じの形状になり、さらに排泄されてから分解されるまでの時間もかなり早い! この現象を考察すると水垢と一緒に口に入ったバクテリアがある程度生きたまま糞に混じって排泄され硝化(分解)を促進してるのかなぁ~なんて考えています。

これら全ては私の単なる推測でしかありませんが、結果として食べた時と食べてない時では反応が全く違いますので、何らかの「良い兆候」はあるのではないか?っと思い、これが証明できるように当分の間またデータを集めていこうかなぁ~なんて思ったりしてます。
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295.低気圧 [AQUAな雑学]

先週末大阪では32℃を記録しました。寒かった春(春と言えるのか?)もやっと終わりか?っと思えばまた急に寒くなって冷房と暖房を交互に使う変な気候です。その上今週は全国的に雨&曇り?のジメジメお天気らしいですね。沖縄は既に梅雨入りしているので仕方ないとして、この時期に長雨が続くとまた野菜の値段が上がる?米も不作になっちゃう?
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ってことで、今日のお題は「低気圧」です! フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば低気圧(ていきあつ、Low pressure)とは、周囲より気圧の低い部分をいう。周囲より気圧が低いと定義されるので、中心気圧が1気圧 (1013 hPa) より高い低気圧も珍しくない。冬季にシベリア高気圧の圏内に発生する低気圧の中には 1030 hPa 以上のものもしばしば見られる。一般に、低気圧は雲を伴い、雨や風をもたらす。っとありますが、難しいことは抜きで簡単に言うと読んで字のごとく「気圧が低い」そして「天気が悪い」ってことです。

これがAQUAとどういう関係があるかというと、最近度々書いてますが月の満ち欠けや潮の満ち引きによって産卵が誘発されたり、メンタルがにバラつきがあったりってことは既にご理解頂けていると思います。これらは主に月の引力によってもたらされる作用で言わば地球外の要因ですが、低気圧もまたこれと同じように気圧の低下によって産卵の誘発やメンタルのバラつきを引き起こすことがあります。 そして気圧による影響は月の満ち欠けによる影響よりも変化が大きく(頻繁に起こり)地球上全ての動植物に影響があると言われています。
0700.jpg例えば。おそらく皆さんも経験から既にご存知だと思いますが、低気圧が来ると(または去ると)頭が痛くなったり、体がダルく重い感じになったり、憂鬱になったり・・・。っていう身体の変調はありませんか? このほとんどは気圧が原因で、人間のエネルギーは右回り、一方低気圧は左回りなので反発するエネルギーによる影響だと言われています。

おぉーっとここでまたblogの神様が降臨しました!神様によると(単なる私の考察ですが)そこそこ気温が高くなった時期に低気圧が来て雨が降って、その雨上がりに畑や花壇を見ると異常なくらい植物が成長しているっていう現象を見たことありませんか?これももしかしたら気圧が下がったために気圧による抑制が緩んで(下に押えつける圧力が減って)植物の上に伸びようとする力が十二分に発揮できた結果ではないでしょうか?

※上の写真は梅雨の雨上がりに急成長したロタラの水上葉。水中葉から水上葉へ移行させたい時は低気圧が続く直前に屋外に出すと効果的です。
また脱線しましたが、こんな感じで低気圧には色々な利点があります。(弊害もありますが)ってことでAQUAな低気圧の恩恵を箇条書きで参ります! 1.エサ食いがよくなる。2.産卵が誘発される。3.元気に泳ぎ回る。4.魚が大きくなる。(大きく見える?)5.病気が治りやすい。・・・他にもありますが、とりあえず今回はこれくらいをリストアップして、それぞれの理由を考えてみたいと思います。

007210114.jpgまず「1.エサ食いがよくなる。」ですが、釣りをする人ならお気づきと思いますが、雨が降ると釣果が上がりますよね? これには2つ理由があり、1つは雨が降る(雨が水面を叩く)ことでエアーレーション効果が起こり溶存酸素量が上がり魚の活性が高まると言われています。(雨と一緒に昆虫類も水面に落ちるので魚が集まるという理由もここに含まれます)またこれとは別に魚の体内でも変化がおこります。気圧が下がることで水圧も下がります。これに伴い魚を四方八方から押さえつける力が弱まり、普段は負荷がかかっている浮き袋がその圧力から若干ですが開放されます。そうすることで浮き袋の制御に回っていた血液がいつも以上に消化器官回り食欲を増進させます。また圧力が下がると自ずと浮上も楽になります。その浮力を利用して小型の魚がエサを求めて浮上してきます。っと同時に小型魚を狙う大型魚も浮上するという仕組みです。こういった行動は自然界、水槽内問わず魚のDNAに記憶されていて低気圧がくればエサにありつけるとエサ食いが良くなるのです。

他の2.3.4.5.に関しては1.の説明でほとんど解説不要になってしまいますが「2.産卵が誘発される。」は圧力が下がるのでストレスがなくなり産卵しやすくなる。また圧力が下がるので放精も楽になるため産卵&受精の確率が高くなるので低気圧には産卵が多いと言われています。「3.元気に泳ぎ回る」も圧力の負荷が減るので泳ぎやすい。「4.大きくなる(大きく見える)」も同じ理由から成長しやすくまた圧力が減るので若干膨張気味になる。「5.病気の治りが良い」もストレス減の観点から治りやすいと言えると思います。

どうでしょう?低気圧の恩恵? 人間にとっては頭の痛い問題かも知れませんが、魚や植物にとっては低気圧こそが過ごしやすい環境?なのではないでしょうか? その証拠に沢山の魚が生息しているアマゾン(熱帯雨林)は日射量が多く年中温暖! すると上昇気流が発生し低気圧地帯(熱帯収束帯)となります。つまりはこの低気圧によって熱帯雨林が形成される多種多様の魚が元気に生息しているってわけですよね。 すごいね。低気圧。

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272.カワニナ [AQUAな雑学]

5年くらい前に父方の田舎(香川県善通寺市)に帰省した時に家の裏に流れる湧き水の美しい川から色々な水草を採取して水草水槽で育成していたのですが・・・。その時にどうやらカワニナも一緒に連れてきてしまったようで、はじめは数匹だったはずのカワニナが今では水草水槽でバンバン殖えて結構な数になってしまいました。おそらく200~300はいるでしょう。( 一一)
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・・・っとこんな出足ではじまると「迷惑だぜ!カワニナ!」って話につながりそうですが、実はそうではなくて、結構気に入ってるんです。ってか水草水槽以外の水槽にも自ら移植したりして・・・。何故かと言うとこのカワニナ、水槽を管理する上で色々と役に立ってくれるのです!

ここでカワニナの特徴について少し触れてみると・・・。蛍を保護する地域では、その幼虫の餌になるため殖やすことに力を入れていますし、それでも少ない場合は積極的に移植したりしてカワニナの保護に努めています。また種によっては食用にもなるため養殖をしている人もいる。(肺吸虫や横川吸虫の中間宿主でもあるので食用にするには若干注意が必要ですが)またその他にも珪藻や枯れて腐った水草、魚やバクテリアの死骸も食べるので分解者としてもかなり役に立ちます。そしてそして昼間は土の中に潜って生活する習性もあるので「畑のミミズ」のように土を耕す意味でも水草水槽では大いに役立ってくれるのです。

こういうこともあって、カワニナは非常にありがたい存在なのですが、我が家ではこれら以外にも水質の状態を把握する目安としてカワニナを使っています。その目安とは「KH(特にカルシウム)の状態を把握するため!」ご存知のように貝の殻はカルシウムで出来ていますよね!? つまりKHが低くなるとカワニナの殻がボロボロになったり数が減ってくるので直ぐに水質の状態が把握できるのです! また硬度が異常に高い時期に低硬度を好む魚や水草が入っている水槽にいれるとカルシウムを消費してくれるので水が軟らかくなる! 水槽では姿形からいつも嫌われもののカワニナですが、結構使えたりするんですよね~

コケや枯れ草を食べて、バクテリアの死骸や濾過槽やソイルの間に溜まる汚泥も食べて、土も耕してKHもコントロールできて、食糧難になれば食べることもできる!! 「凄いぜ!カワニナ!」 これぞ水槽のスーパースカベンジャー!! って思いません? 一部では水草を食害するといわれていますが、ウチではそんなことありませんし、コイツがいて悪いと思ったことは一度もありません。「世の中に存在するもので無駄なものなんて1つもない」って言葉がありますが、まさにその代表ですね! 見た目はちょっと・・・ですが。(^^ゞ

KHの話をしたので、ついでにちょっと脱線して(思いついたので)硬度についての話を挟ませてもらうと、ディスカスや南米産の魚を飼うときにKHが限りなく0に近い軟水を作る必要があると言われていますが、以前「063.アマゾンの水」で書いたように、必要以上に水を純水にする必要はありません。ディスカスの生息域にもカワニナのような巻貝やエビが多く生息していることが証明になりますが、ディスカス=超低KHっていうのはちょっと違うと思います。

現地で測定したKHがとてつもなく低いのはカルシウムやマグネシウムが含まれていない水なのではなく、CaやMgは普通に含まれてはいるけど、ピートの成分である腐植有機酸(親水コロイド)が、水中の電解質(疎水コロイド)を囲い込んでしまうため、伝導率計の機能を失わせて測定できなくしてしまうだけで本当は多く含まれているのです! じゃないと貝もエビも水草も生きていけないですからね~ そうなるとディスカスのエサもなくて、これまた生きて行けませんので!! 私個人の勝手な推測ですが、アマゾン川って日本の河川より実際の硬度は高いはずですよ!? じゃないとあれだけ多くの生物が存在しないはずですからね。

なのでROってホントに必要なのか?って常日頃から思っています。自分も以前はその言葉を鵜呑みにしてROを使っていましたが、純水にしてから硬度を測定しながらまたミネラルを足して水を作るという行為がとても無駄なような気がしてやめました。そんなことしなくても普通の水道水を溜め水タンクに入れてピートを入れておけば勝手に下がりますからね! もちろんピートにこれらミネラルを吸着する能力はないので少し考えれば分かりますしね。 全ての動植物にミネラルは絶対必要ですからね。(^_-)-☆ こう言った意味でも日本の水ってホントに素晴らしいです!中硬度で中性! 生物が生きていくには非常に恵まれた地域だと思います。日本に産まれて良かった~(^^♪

さてさて、今年も残すところあと1週間! 年末になって急に寒さが厳しくなって参りました!忘年会や大掃除、年内最後の追い込みなどで色々忙しくて疲れる時期でもありますので、良い新年を迎えるためにもお体ご自愛くださいませ!(^_-)-☆ それではまた来週~(^^)/~~~

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259.プラジの純度 [AQUAな雑学]

ここ数年でエラ吸虫の特効薬としてかなり知名度が上がってきたプラジカンテル。この薬は今から約30年前にドイツのバイエル社の寄生虫チームが住血吸虫症(肝吸虫や肺吸虫)の駆虫を目的に開発した人間用の駆虫薬で、それが長い歳月をかけて人間から産業動物、ペットを経て、ゲーベル氏ほかディスカス研究家が使用したことで我々一般の愛好家にまで浸透しました。わが家ではこの薬を5~6年前から使っているのですが、一言で感想を述べると「凄く効きます!」・・・ディスカス飼育ではエルバと並んで必ず必要な薬(常備しておきたい薬)ですね。
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Photo:ハダクリーンとエルバの二種混合薬浴
しかし、このプラジカンテルという薬・・・手に入れるのが難しい上に水産用では少し効きが甘い! 我が家では今まで「ビルトリシド」という人間用のプラジや「ドロンシット」という獣医用のプラジ、そして水産用の「ハダクリーン」をそれぞれ試してみましたが、やはり先の2つに比べたら水産用は効果が薄く、人間用、獣医用であれば100Lあたり300mg(プラジ含有量)で十分な効果があるものが、水産用だとその1.5倍、場合によっては2倍近くの量が必要になってしまう。

同じプラジなのに、プラジ自体の量は同じはずなのに・・・何でこんなに効き目が違うの?って当然思われることでしょう。これは恐らく純度が違うんでしょうね!? 普通に考えて、ハダクリーン1袋の量は異常ですからね~ 末端価格で1袋3万円くらいでしたっけ!?・・・言い方悪い?(^^ゞ もし人間用と同じ純度であれば、あれだけ大量に入っていれば1袋数十万円って話ではないはずです! 本来ならとても高価な薬ですからね~ それをあれだけ低価格で販売できる理由は純度に問題があるとしか思えない。

でも、水産用だからそれでいいのかも知れません。いや、意図的に純度を落としているのかも知れません。この薬の作用機序は吸虫の細胞膜のカルシウムイオン透過性を上昇させることにより寄生虫を麻痺させたり、虫卵の分解・障害をおこしたり、アデノシン取り込みの阻害、条虫類や多包条虫などがプリンを合成できない。・・・などという感じで作用するため、無脊椎動物や甲殻類には少なからず影響がある。・・・ってか死ぬ?

これを知らずに珊瑚礁付近の養殖場で純度の高いプラジを撒いたら? 沢山の養殖業者がいっせいに純度の高いプラジを使い始めたら? 確実に生態系は乱れてしまいますよね!?たぶん。・・・っとは言ってもこの薬は経口投与することを念頭に開発されているのでそれほどの純度は必要ないですし、薬浴用に純度の高いものがあったとしても養殖魚に使っていたら、ブリが1匹何十万円って話になっちゃうのでコスト面からも無理な話でしょうが。(^^ゞ

また、かなり話が暴走してプラジカンテルについての小論文を書きそうな勢いになってきたので本来のテーマに戻すと・・・。今日のテーマで書きたかったことは1つ!「ハダクリーンは純度が低い?ためか300mg/100Lの薬浴では強烈な効果は望めません。」ってことです。以前から何度か質問を受けたりしたのですが、その質問の中には「ハダクリーンが効かないけど他の病気でしょうか?」とか「プラジカンテルの効果に期待できません。」などといったものが多く、その都度、私が効くと考えるハダクリーンの量をお知らせしたのですが、たぶん世の中には「効かない・・・。」っと悩んでる人も多いのではないかと思いまして・・・。

キッチリと1mgまで計れる重量計があれば100Lあたり300mg以上500mg以下で試してみてください。計れない場合はエルバージュ(500L×2回分のパッケージ)の計量スプーンを使い、100Lに対して3杯~4杯。これを少量の水を加えながらすり鉢でよく溶いてから水槽内に投薬すると・・・たぶん効くと思います。(^_-)

追伸
もっと手軽に確実にって場合はセラのトレマゾルを使うと便利かも知れません。少量パッケージですし、薬浴用ですし、何よりハダクリーンよりプラジの純度は高いようです。また個人輸入や代理店経由の入手であればPraziPro (Hikari)魚用やドロンシット錠という手もあります。ドロンシットはジェネリック薬もあるので輸入に手間と時間はかかるもののかなり安く手に入るかも!? ・・・ん?最近、薬事法が変わったからダメになったんだっけ???(^_^;)

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