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024.エラ吸虫 [魚の病気]

ディスカス飼育で問題視されているエラ病。とくにディスカスという魚はストレスに弱く、エラも繊細に作られているようで何らかのストレスがあるとすぐにエラを大きく開き水槽の角で黒くなって動かなくなってしまう。雑菌やバクテリアがエラに住み着き正常なエラの機能を阻害する細菌性エラ病に関しては市販のグリーンFゴールドやエルバージュなどで対応できる。しかしエラ吸虫が原因でエラの機能を阻害する寄生虫感染症は厄介だ。
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ホルマリンが有効であるとされているが、個人的な見解では、ホルマリンで確実に治療できた試しがない。一時的に沈静化するものの数日すると再発したり、エラが開きっぱなしで改善しなかったりとあまり効果がなかった。その上、治療中のホルマリン臭や濾過バクテリアへの大きなダメージなど使用後の厄介な問題もある。

今回もエラ病治療で何度か使ってみたが、やはり効果が得られなくて、いよいよ新薬のプラジカンテルの投薬を行ってみた。使用後の感想は「あっぱれ!」の一言。 エラの症状が見事に3日で回復した。濾過バクテリアへの影響も全く感じないし、臭いも全くない。

ただ、この薬の問題点は処方箋が必要なことだったが、これも水産用のハダクリーンという製品が発売されたので問題にはならないようだ。1袋3万円とかなり高価な薬ではあるけど、1袋あれば使えきれないくらいの量なので仲間で分け合えばいいのではないだろうか?日本動物薬品あたりが小売してくれれば、ディスカスのエラ病で悩んでいる人にはとても有難い話なんだけど・・・。

用法容量は水量100Lあたりプラジカンテル250mgで1週間薬浴し、1週間あけてまた同じ用量で薬浴。1、3、8週の間隔で使えばほぼ完全に駆虫できるらしい。
コメント(8) 
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コメント 8

たまらこ

はじめまして。ブログ大変参考になります。御礼申し上げます。
さて、ハダクリーンについてお教えいただければ幸いです。
当方水草水槽でディスカス他混泳させています。水草にも
好気バクテリアにも害はないと聞いたので、是非使用して
みようと思うのですが、外部フィルタのスポンジブロック濾材と
低流量底面吹き上げで嫌気濾過が安定して働いており、
これを壊したくありません。完全駆除には長期間かかるので
影響はいかがでしょうか?推測でも結構ですので、知見お伺い
できれば幸いです。
尚、過去には、オキソリン酸で嫌気のみ崩壊した事があります。
by たまらこ (2006-12-08 12:18) 

たかあき

はじめまして。

プラジカンテルは抗吸虫薬ですので、GABAを持つ寄生虫に作用し低濃度ではエラ吸虫の筋収縮や痙攣性麻痺をおこし、高濃度では表皮を傷害します。
ですからオキソリンやサルファ系の抗生物質とは違い好気嫌気ともに濾過を崩壊させることはないと思います。

しかし、厳密に言えば薬理学で特異的効果としてATP合成阻止とありますので、100%バクテリアには影響しないと言い切るのは難しいかもしれません。

実際の投薬での感想ですが、ディスカス以外にも色々な水槽でためしてみましたが(水草水槽も)濾過が大きく崩壊したことはないので大丈夫ではないでしょうか!?
by たかあき (2006-12-10 01:34) 

たまらこ

 丁寧な解説ありがとうございました。念の為、ベアタンクで嫌気を立ち上げて予備実験をしてみようと思います。
 また、機会がありましたらczoneさんの新規ディスカス導入時のトリートメント方法など公開して頂けたら参考にしたいと思います。
by たまらこ (2006-12-10 23:31) 

たまらこ

 先日はご指導ありがとうございました。実験しましたのでご報告します。
 まず、予備水槽で5倍程の大量投与実験してみましたが、少なくとも一度では嫌気にも問題ないようです。
 また、溶けにくいので乳化の実験などいくつかしましたが、次の方法で本水槽に使用しました。
1. クリーン冷凍赤虫を解凍し、汁も捨てずにハダクリーンを良く良く混ぜる
2. 別途クリーンブラインシュリンプを解凍する。その汁は捨ててしまう。
3. 2に1を入れかき混ぜる。
4. 少しずつ、ディスカスが食べ終わったら次、という感じで与える。
 以上で、ブラインに付着した粉を直接摂取、赤虫の汁で乳化された液は
水中に溶けます(たぶん)。
 元々鰓の状態も食欲にも問題ありませんでしたが、それでも2日ほどでより元気になった気がします。
 また、投与2回目の後やってきた新入りディスカスが、翌日何条にも分かれた長い長い白糞を大量に出し始めました。ある種のお腹の虫にも効くのかも知れません。

 まだ、1クール終わっただけですが、副作用っぽい感じが全く無く、バクテリアも水草もなんともなく、良い感じです。
by たまらこ (2006-12-22 00:32) 

たかあき

ご報告有難うございます。(^^)

最後の何らかのお腹の寄生虫に利くかも・・・ってところですが、プラジカンテルの薬理学的効能に条虫類・・・とも書いてましたので効果があるのではないでしょうか?

また乳化についてですが、ご存知の通り水では溶けないので一般的にはアセトン(ジメチルケトン)などの酢酸を使えば容易に乳化すると思います。
アセトンでプラジ成分が変性することはないと思いますので、また機会があれば試してみてください。
by たかあき (2006-12-22 02:02) 

たまらこ

 恐れ入りました!
 早速酢を垂らしてみた所、あっさり溶けました。
ちょっと食い付きは悪くなるみたいですので、直接経口摂取させる分として少量をブラインまぶし、残りを少量の酢で溶いてから水槽に入れれば良さそうです。
 一週間休みますので、2クール目にまたやってみます。

 それにしても、副作用やバクテリアダメージもない薬がお腹にも効いてくれるとは、本当に大助かりです。これでフラジールやコンバトリンはいらないと言うのは甘いですかね??
 ちなみに、フラジールは白点にも著効ありとのことですが、ハダクリーンはこちらにはダメみたいです。
by たまらこ (2006-12-22 23:32) 

たかあき

そうですか、ちゃんと溶けましたか(^_^)

ウチのディスカス水槽は活着のナナとバルテリーだけなんで気にせず酢酸で適量溶いてどばぁ~と薬浴なんで嗜好性まで考えてませんでした。

すいません。(^^ゞ


白点ですが、さすがに鞭毛虫とは作用点が違うので無理そうですね。(^^)
by たかあき (2006-12-23 00:10) 

闘魂親父

こちらにも書かせていただきます。私もSERAの3シリーズ「トレマ、フラジ、ネマト」は海外から取り寄せて使っています。
どの製品も
ろ過バクテリアには大きなダメージはありません。が活性炭、麦飯石などの吸着性の有るろ材を使用したままですと効果は期待できません。

トレマゾルは「えらの吸血虫」に非常に効果があります。1回目飼育水15Lに1mlの割合で8週間後に飼育水20Lに同量とありますが、鰓吸虫のサイクルから考えると2回目は96時間後に実施する。安全を見て3回目を同様に行うと良い結果が出ました。薬浴時間は8時間です。
水槽に入れると一瞬白くなりますね。条虫(サナダムシ)にも効果のあるときもあると曖昧な表現でした。条虫の結果は良くわかりませんが鰓には絶大な効果です。某ショップで「コンディショナー」として非常に高価な価格で販売しています。(しかも容器も詰め替えて)同じ金額を払えば時間はかかりますが200倍の量が買えます。

プラジカンテル「腸管内べん毛虫」に効果があるようです。白い糞(条虫を除く寄生虫)に効果が大です。鰓吸虫には余り効果が見られません。こちらは水に入れると、薄い黄色になります。使用量は飼育水40Lに1mlです。こちらも8時間です。

ネマトールは条虫に効果があります。使用方法はプラジカンテルと同じです。
私はワイルドを中心とした飼育ではなく、改良品種を楽しんでいますのでこの3つの薬は必需品です。白点虫には「アクアゾル」という製品が出ています。もってはいますが使用したことがありません。

多分、たかあきさんが見られたドイツの同じサイトで購入しています。注文すると大体、2週間で届きます。送料はDHLを使うので纏めて購入したほうが割安になりますね。しかしそのネットショップもいい加減な英語で説明していますので苦労しました。

大事なことですが「アクア○イフ」などの粘膜保護を使用しているとこれらの3点セットは効果が極端に下がりますので粘膜保護薬を使っている場合はかん水後に行うことをお勧めします。

ストレスによる白い糞には何の効果もありません。イジメは止めてお願い!と祈る毎日です。はい。長々とすみませんでした。
by 闘魂親父 (2008-01-26 21:54) 

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