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141.みそ汁 [AQUAな雑学]

何を隠そう、みそ汁が大好きなたかあきです。特に赤だしは好きで毎日でも飲める。前世は名古屋の人だったのでしょうか!?・・・って出足から何のこっちゃ!(^^ゞ

まぁ~みそ汁の話は後でまた書くとして、とりあえず先日、水草用品を買いに行った時に店員とお客の会話を盗み聞きしていた内容から!

その客は彼の言い方を借りて言えば、改良ディスカスをそこら辺のガキが毛も生えそろってないころから飼っている自称マニア。年の頃は50代後半といった感じでした。 何でも最近、ph降下剤を使わずに水換えをしたら水換え直後に数匹エラをパクパクさせて死んでしまったようです。彼いわく、phショックだったと・・・。最近、水道水のphが安定していないから!・・・と。 それを聞いた店員は「アンモニアじゃないですか?」と答えましたが「ウチの水槽は常にph4.5~5.0だから、phが落ちるってことはバクテリアがいっぱいいる証拠だよ! アンモニアなんて出るわけない!」と即答。

みなさんならもう分かりますよね? ディスカス飼育で陥りやすい大失敗を水道水のせいにした哀れな誤解ってことが・・・。




photo:EF-S60mmMacro F2.8 ISO-800 1/25sec Av-1
とうとう来ました! 現在我が家で大きさNo.1のジャプラに並んだ! 年齢的に考えてまだまだ行くんでしょうね!? アルトナナイちゃん。 厚みはメスということもあって既にNo.1です。女の子はぽっちゃいしているのが可愛いよね。(^_-)

そもそもphが落ちるって現象は、バクテリアが正常に機能している段階であればアンモニアが硝酸塩まで徐々に分解されるので緩やかに降下していきます。 ただ、水換え後数日でphが4.5にまで落ちてしまう水槽ではバクテリアが正常に機能しているとは言えません。(理論上、バクテリアの酸化作用だけでは4.5までは下がりません。) もちろん水道水が極端な軟水であったりと例外もあるかも知れないけど、バクテリアは5.0を下回るphでは微生物学的に考えてもその大半は機能しておらず、浄化は行われていないのです。

では何故試験薬でアンモニアが反応しないのか!? これはphが7.4以下であれば水中のアンモニアの9割はアンモニウムイオンにイオン化しているため、毒性が抑えられているからです。これを水質が安定していると勘違いしたのが、今回のオヤジです。
phが極端に落ちた状態。つまりアンモニウムが大量にたまった水をph7.6の水道水でph降下剤を使わないまま注ぎ込んだので、phが一気に引き上がったことにより毒性を抑え込まれていたアンモニウムが還元反応を起こしアンモニアとなり大爆発したのです。 恐らく一瞬にして致死量の0.5ppmを超えたのでしょう・・・。 通常、ディスカスって魚はphショックでは体表粘膜を異常分泌させて黒くなりますが、死ぬことはほとんどありませんからね。

また、この話の中で勘のよい人なら、もう1つ疑問が出てくると思いますが、低phでバクテリアが機能していないのに、なぜphが低下し続けるのか??? これは水槽内に蓄積したヘドロ状のものや、濾材に着いた汚れが原因です。このヘドロや汚れの成分は硝酸やオルトリン酸といった強酸性の生物濾過後の副産物で、これは嫌気濾過が上手く機能していなければ分解されません。 ベアタンクのディスカス水槽では全くと言ってよいほど嫌気は機能しませんので、蓄積するばかり。 そこで水換えをして硝酸なりオルトリン酸を排除するのですが、これにも限界があります。

ここで登場するのが今回のお題の「みそ汁」です。
この汚れの排除と水換えの関係をみそ汁を使って説明すると・・・。 まず、おわんにみそ汁を注いでみてください。 そして飲んでみて!・・・美味しいでしょ?(^^♪ では、今度は、そのみそ汁をそのまま数分放置してみてください。 混ぜず、揺らさず、静かに数分みそ汁を見つめておいてください。 そうすれば徐々にみそがおわんの底に沈殿し始めるはずです。 そして上層部は透明の液体になり、下層部はみそが沈み完全に分離するはずです。 ここで上澄みだけをスポイトで吸い取って飲んでみてください。・・・水臭いでしょ?
そして、今度は掬い出した上澄みと同じ量の水を入れてかき混ぜて飲んでみてください。 多少味は変わったけど、美味しく飲めるはずです。

つまり、上澄みの部分がディスカスを飼育している水槽で、沈殿したみその部分が濾過槽で蓄積した硝酸やオルトリン酸なのです。 汚れが蓄積した濾過槽や長期間使い続けた濾材は例え水を100%換えたところで、この汚れがある限り直ちにキックバックします。 みそを残して上澄みだけ入れ替えるのだから、当然と言えば当然のことですよね!?(徐々に薄くはなっても決してなくならない。) 特に大型水槽でOFシステムを組んでいると、この汚れが知らない間に蓄積し続けるので、ドレンを設置して定期的に抜き取ったり、小まめに濾材を洗浄するメンテが必要になってきます。 OFシステムのヘドロは半端じゃないですからね~(^^ゞ

これらのph低下や汚染物質を極力抑える為には、濾材を必要以上いれない、水量を匹数に対して大目に考える(ウチの場合30Lに1匹計算)=過密厳禁、濾材を定期的なメンテをするっていう超基本の作業が大事だってことになりますね!?
また、今回の勘違いオヤジのようにph低下=バクテリアが機能しているって言うのは大きな失敗の原因にもなるので、phが5.0を下回るようであれば、それなりの対策を考えることが大切! 水槽内、濾過槽、濾材はいつも清潔に保つことが魚を元気に飼う基本であるってことを今回、他人の失敗から改めて思い知りました。

まぁ~こういった点から考えると、For Ever Greenのdai8682さんのようにメイン濾材をウールにして、定期的に全部交換とか、ディスカポのカポちゃんのように目詰まり=流量低下っていう目に見えて濾材の洗浄時期が分かるパーフェクトフィルターを使うか、またはフルドライを使うなどといった濾過槽を清潔に保てるシステムがよいのかも!? ちなみにウチは濾過槽のスノコの下の汚れを直ぐに掃除できるようにドレンを通していますし、濾材はかなり頻繁にリセットするようにしてます。 そして濾過槽を濾過する為に外部フィルターを設置してます。 これでとりあえずは濾過槽をクリーンに保ててます。 


追伸
サイドバーに月齢を表示するblogパーツを設置しました。 水温も下がり、ディスカスたちが産卵をむかえるシーズンなので、ペアっぽい個体がいる場合や既に産卵経験ありのペアを飼っている人、この月齢表示を見ながら産卵の準備、水質調整などをすると今以上に上手くいくかも知れませんよ! ペアリングして既に産卵経験のあるペアでも、満月の時に産卵させるのと、それ以外の時に産卵させるのでは産卵数や孵化率がかなり違うのでやはり月の満ち欠けを見ながら飼育者が産卵を誘導した方がいいと思うし!(^_-)


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128.過剰分泌 [AQUAな雑学]

以前、こんなことを大型魚飼育者から言われた。「ディスカスやってる人って何でディスカスだけが特別水を汚して管理が難しいって言うのかな? 大型魚の方が汚れるはずなのに・・・。何か特別扱いしてない? 大型魚の方が大変だよ!」 言わんとしていることは十分わかる。 大型魚もディスカスもその他の魚もやっているから大型魚の汚し方は分かっている。 時々小動物の糞か? と思うくらい大きな糞をしていることがある。  それでもやっぱり・・・・・ ディスカスの水の汚し方って少し意味は違うけど大型魚水槽以上じゃないかと俺は思う。


photo:EF-S60mmMacro F2.8 ISO-400 1/30sec 1EV

では、ディスカス水槽が汚れる原因って何??? 餌がハンバーグだから? 過密だから? 水温が高いから? もちろん、これらも水を汚す大きな原因だと思う。 でも、それに付け加えてもう1つ他魚には例を見ない汚れの原因があると思う。

ディスカスという魚が独自の子育てをするのは有名な話だけど、この時、ディスカスミルク(つまり粘膜)を稚魚に与えて育児をする。 この習性が原因なのかどうかは定かではないけど、通常飼育時でもディスカスは些細なことから大量に粘膜を分泌させる。 水換えして少しでもphショックがあると「どろどろ」。 少しストレスを感じると「どろどろ」。

こういった分泌物で餌や糞と同じくらい(場合によってはそれ以上)水を汚してしまう。 この粘膜の成分もタンパク質なので更にタチが悪い。餌や糞から流れ出るタンパク質よりもっと高濃度のタンパク質のカーテン。 これが濾材に付着するとあっと言う間に濾材の表面をタンパクの膜で覆ってしまう。これによって生物濾過がダウン。

また、この分泌物によって、ディスカスのエラにも問題がおこる。 自分で出した分泌物で苦しむのは何だか間抜けな感じもするけど、エラの細胞にタンパク質のカーテンが絡み付くと酸素を取り込むのが困難になったりすることもある。 特に薬浴時には薬によって体表が荒れたり、薬剤により水質悪化がおこり通常以上に過剰分泌してしまう。 だから薬浴時には薬剤による水質悪化もさることながらこの分泌物にも注意し、分泌物が多いようであれば小まめな水換えとそれに応じた量の薬剤を再投入しなければならない。

結局のところ、ディスカスって魚を飼うには大きな変化はタブーってことになる。phショックをおこさないようにphのUpDownを最小限に抑えたり、硬度の変化に気をつけたり、粘膜保護剤を使ったり・・・。 粘膜どろどろは魚の寿命も短くなるし、色艶も悪くなる(お肌が早く老化する)しね!

しかしまぁ~ ディスカスと言う魚・・・。実に興味深い。実際に実験してタンパク測定をしたわけではないので数的データは出せないけど、ディスカスと類似した形態で生息域も同じであるエンゼルフィッシュでもこのような過剰分泌はなくディスカスほど水を汚さないはずだ。 その他の魚でもこれほど粘液を分泌する魚はあまりない。 しいて言えば、フナとナマズくらいだろうか!? しかし彼らが過剰分泌する理由は汚染レベルの高い止水で雑菌やスレから身を守るからであって、ディスカスが分泌するのと少し理由が違うように思える。 ディスカスに関する「なぜ?」をあげていくと幾つでも出てくる。 人間の生活に直接関連する魚ではないので水産学的にも研究が進まない(研究する意味がない)ので、それぞれの飼育者が研究しなければいけないのだろうけど、素人では研究のしようがないしね。 でも不思議が多いものって何か面白いよね!? いつもドキドキがいっぱいだ!


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093.濾材漂白 [AQUAな雑学]

ディスカスを飼育していると長くて半年~1年、早ければ2~3ヶ月で濾材表面にハンバーグの油脂やタンパク質がこびりつき機能しなくなったり、バクテリアが着き過ぎてphの急降下がおこったりします。 その結果「魚が底で動かない」「発色が悪い」「phが降下してきた」「エサ食いが悪い」などの症状があらわれ飼育が困難になってきます。そんな時我が家では迷わず100%または80~90%の濾材を交換するようにしています。

このようにディスカス飼育では頻繁な交換が必要で、その都度濾材を交換(買い替え)していると、恐ろしくランニングコストがかかるので、我が家ではガラスリング(シポラックスタイプ)を使うようにしています。 この濾材のメリットは、材質がガラスなので水質に影響がでない中性濾材で再生ができること。 漂白剤(キッチンハイター)で真っ黒でドロドロになったリングを簡単に真っ白の新品にすることができます。

ガラスリング濾材再生方法
1.プラスティック製のバケツまたはタライに汚れた濾材を入れる。
2.キッチンハイターを遠慮なくドバドバと注ぎ込む。
3.3~5日間ハイターに漬け込む。
4.汚れが取れてないようなら水洗いした後に再度ハイターを入れる。
5.汚れが取れたら流水で何度もすすぎ洗いする。
6.大きな鍋で3~5回煮沸し塩素を飛ばす。
7.バケツなどに移しカルキ抜きをかなり多めに入れて2~3日漬け込む
8.流水で洗い天日干しして乾燥させる。


こんな感じで、ほとんど新品状態に再生させることができます。 ただここで注意しなければいけないのが濾材はセラミックやガラスだけで出来ているもの以外は漂白禁止。 コンペイトウなどのようにゼオライトとセラミックを混ぜ込んで作られたものや、パワーハウスのようにph調節機能があるものは、水質改善するための物質が含まれているので、それがハイターによって変性したり、役目を果たさなくなったりするので危険です。 だから必ず材質を確認し、吸着材質や成分を溶解させて水質をコントロールするタイプの濾材では漂白しないようにしましょう。

また漂白する時にプラスティック製のバケツを使う理由ですが、金属製の容器にハイターを入れると金属と反応して漂白効果がかなり落ちます。 脱線話だけど、奥様方がシンクや鍋にハイターをかけて汚れを取る行動をたまに見かけるけど、本当はあれってあんまり効果ありません・・・・。


話を戻して・・・。
「魚にハイターなんて・・・」と思われるでしょうが、後処理をきっちりと行えば問題ありません。理論上では70℃以上のお湯、金属で塩素(カルキ)が抜けますから!  でも、ハイター自体危険であることには違いないので「怖い」と思われたらやめておいた方が良いかも知れませんね。(^^ゞ 

最後に・・・・自己責任でやってね! 責任取れないから。
今のところ十数年この方法で色々な魚飼ってるけど、ハイターが原因で死んだ仔は我が家には1匹もいないし、結構有名なショップでも漂白再生してるみたいよ!?
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071.Wet&Dry [AQUAな雑学]

みなさんご存知のようにアマゾン川は雨季と乾季で凄まじい変化があります。水温や水圧、水質(ph&硬度)など、同じ川とは思えないほど大きく異なります。しかし、その大きな(過酷な)変化こそがディスカスを綺麗に育て上げているのではないかとここ数年考えていました。そこで思いついたのがWet&Dry飼育。まだ実験段階なのですが、実験3年目を迎えて拒食になる仔が少ないことや体長体高の伸びが良いこと、そして冬には美しく発色することなど、色々メリットがあったので少し紹介させてもらおうと思います。

(注)ここで言うところのWet&Dryとは間欠濾過ではなく、水質を長期的(1年)に考えて、水槽内で擬似的に四季(アマゾンでは二季?)を再現し、ディスカスの体内時計を正常に保つという意味です。



  Photo:Canon EOS KissD + EF-S 60mm Macro(T)
          シャッタースピード 1/30秒 ISO-400  F2.8

アマゾン川は雨季には大量の雨が降り、水位が数m~十数m増加します。反対に乾季には川底があらわになるほど水位は下がります。出来ることであれば、水槽内でも水位の上下をつけたいところですが、高さ45~60cmの一般的な水槽では上下したとしてもディスカスにとってみれば迷惑な話で何ら意味がないと思うので、私たちが出来ることは雨季と乾季の水質の差をつけることくらいしかできません。そこで私が始めたのは日本の春夏をアマゾンでの雨季とし、秋冬を乾季とする方法でした。

夏場は高水温からどうしても水質が悪化するので、濾過だけに頼っていては水質が保てないので濾材を減らし(50%)換水量と頻度を上げて言わば常時注水方式のような飼育を心がけています。ウチの場合、水道をひねって出てくる水はph7.4~7.6なので夏はプレフィルターを通し塩素を除去し、そのまま水槽に注ぎ込みます。この時、飼育水のphは下限で6.8くらいまでとし、それより下がれば水換えでphを上げる。上限は還元反応がおこらないように7.4までとする。これを5月~9月まで実施して雨季を感じてもらうようにしてます。

そして、9月後半のヒーターがフルで稼動し始める頃からは濾材を追加し(100%)換水量と頻度を少なくしてバクテリアを使った酸化反応を利用し、擬似乾季飼育に徐々に切り替えていきます。この時の下限は5.5前後、上限は6.5前後まで。ただ乾季(軟水、低ph)と言っても、ROなどを使った水ではミネラル分が足りない上、ph変動が大きくなるので使用しないようにしてます。詳しくは以前紹介した「063.アマゾンの水」参照。

また給餌方法や種類にも少し変化をつけます。擬似雨季時にはハンバーグやカロリーの高いものを多めに与え、秋冬に備えるための体力つけさせます。そして擬似雨季後半(8~9月)には少し色揚げ効果のある餌も与えることもあります。これにより秋冬には厚みのある綺麗に発色するディスカスに仕上がります。反対に擬似乾季には、赤虫やブライン、川エビなどの天然素材の餌をメインにすることで水質の悪化防ぎ引き締まった体を作ることが出来ます。

このような飼育を始めてから、既存魚、新導入魚問わず拒食になる個体は少なく、また秋になると自然と赤や青のコントラストが美しくなり、発情する個体も出てきます。しかし私の場合、繁殖にはそれほど興味がなく、美しい盛りの個体を繁殖に使うと寿命が短くなってはいけないと思い出来るだけ雌雄別水槽で管理するようにしてますが・・・。

約1年の長いサイクルなので魚の変化が分かりにくい飼育方法だと思いますが、美しさを長く維持でき、寿命を伸ばすことができる水槽でできる最善のワイルド飼育方法だと私は考えています。もし強烈なph変動や原因不明の拒食、発色が悪い、繁殖が上手く行かないなどと悩んでいる方がいれば、一度試してみてはいかがでしょう!?


C'ZONE Photo BBS はじめました!!
Blogってコメントは書いてもらえるのだけど、写真は投稿できない。なんだかこちらからの一方通行な公開の場になっちゃうので、みなさんで参加できる「投稿写真BBS」にしてみました。魚でも日々の一瞬を撮った写真でもなんでもいいよ!
お気軽に投稿してみてちょうだい。
サーバーの都合で50個たまれば1つずつ消えていくので、その辺はご了承ください。

それから、今回のバナーどう???
約2年前のレイアウトしてた頃の水草水槽・・・我ながら良い出来(^^ゞ


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063.アマゾンの水 [AQUAな雑学]

高価な専門書もいいけど、タダでもらえる本にも貴重な情報がたくさんあったりする。今回もらってきた本は麦飯石シリーズで有名なFlexが作った宣伝混じりの小冊子。その中にアマゾン川のデータがあった。なかなか面白かったので、この小冊子をベースにショップや現地シッパーから頂いたデータ、その他手持ちのデータを含めてワイルドディスカスの生息域の水質をご紹介。

まず、環境&水温について・・・。
ディスカスは流れがゆるやかで、水草や浮き草が多く茂っている場所に生息しており、昼間でも薄暗い流木のまわりなどで生活しています。アマゾン河周辺は典型的な熱帯雨林気候に属し、年間雨量は2500mm、平均気温は30℃前後で年間を通じて高温多湿の地域です。12月~5月が雨季、6月~11月が乾季。水温は雨季に22度まで下がり、乾季には28度まで上がります。
生息地の水質について・・・。
生息地の水質情報に関しては、困ったことに専門家の間においても非常に誤解が多く、間違った情報がまことしやかに流れています。そのような話を聞かされてきた方は驚かれるかもしれませんが、本来の総硬度は6、炭酸塩硬度は5という高めの数値を示し、PHも7.5以上のアルカリ水です。つまり一部で伝えられている水とはまったく正反対の水です。むしろ日本の水に限りなく近い水なのです。
PHに対する誤解・・・。
なぜこのような誤解が生じたのでしょうか。ワイルドが生息しているネグロ川やテフエ湖の水はブラックウォーターと呼ばれ、堆積した落葉から染み出すタンニン酸やフミン酸(腐植有機酸)が流れ込んできます。この影響で実際のPH測定値は引き下げられます。水位が上昇する雨季にはこの影響が薄れて測定値はPH7.5まで上昇するのですが、乾季になるとPH5.0まで下がります。つまり炭酸塩硬度(KH)が低いからPHが低いのではなく、非常に高濃度の腐植有機酸が流れ込んでくるからPH測定値が引き下げられているのです。ROやリン酸を使用してPHを下げた水とは根本的に性格が異なり、必須ミネラルがたっぷりと含まれた水なのです。
電気伝導度の測定に関する誤解・・・。
なぜかディスカス飼育に限っては、電気伝導度にこだわり、ROを使用して、ひたすらこれを下げようとしている人が多いようです。これは不思議な現象です。なぜならばディスカスの生息地にはカラシンやグッピーを含め、あらゆる魚種が生息しており、必須ミネラルのひとつでもある電解質は絶対に必要なものだからです。確かにアマゾン河のように熱帯雨林気候に属する地域は、他の熱帯雨林地域と同様に電解質濃度は低めです。これは植物の養分吸収力がすさまじいために発生する現象です。また土壌に多く含まれている鉄・アルミニウムは、天然のイオン交換樹脂のような働きもしています。しかしアマゾン河に電解質がまったく含まれていないように思い込むのは大きな間違いで、リービッヒの最小基本律の原則にてらしてみても、必須ミネラルとして生体に必要な量は充分に含まれています。おそらくこの部分に関してもブラックウォーターの性質を誤解しているからだと思われます。ブラックウォーターの成分である腐植有機酸(親水コロイド)は、水中の電解質(疎水コロイド)を囲い込んでしまうため、伝導率計の機能を失わせて測定できなくしてしまう性質を持っています。これは粘膜保護剤(ブルーの液体)などを水中に入れると、伝導率計が測定不能に陥るのと同じ現象です。たとえば硫酸銅を添加した水に粘膜保護剤を入れると、伝導率計の数値は突然ゼロを表示します。しかし硫酸銅が除去されたわけなく測定できなくなっただけです。つまり電気伝導率が低い水なのではなく、測れない水なのです。
以上、色々な情報をもとにディスカスの水について書いてみました。賛否両論あるだろうけど、自分の中ではもっとも真実に近いデータだと感じています。みなさんはどのように感じたでしょうか!?
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015.水道水 [AQUAな雑学]

私の住んでいる地域の水は主に琵琶湖、淀川水系から供給されている。日本一の水瓶である琵琶湖の水は年間を通じて安定した水質と言われているが本当にそうなのか???春先から夏までの水は、我々AQUARIUMを楽しむ人間にとっては安定した水とは言えないように感じる。

浄水場での処理は急速ろ過・後塩素処理・粒状活性炭・オゾン処理・生物処理が行われ、上水道としては最先端のシステム。ただ、魚を飼うには問題のある値が結構ある。例えばこの3つ。残留塩素0.9ppm  GH(総硬度)6  Ph7.8 マーフィードのスタンダードで塩素処理だけした水を入れようものなら、我が家のディスカスたちは粘膜ドロドロ噴出!(Phショック)

水を濾過、殺菌しないと飲むことができないのが当たり前の時代・・・。ミネラルウォーター産業が儲かるのはよく分かる。<`ヘ´>
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