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232.リセット(吸着編) [AQUAな雑学]

約2週間の定期トリートメントが終了! 鰓もスッキリしたようで餌を探して活発に泳ぎ回る本来の姿に戻ってきたので、これからは徐々にエルバの色抜きをして擬似雨季飼育に!!
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ってことで、今回はわが家のリセットとその後の立ち上げについてちょっと書いてみようと思います。
って言っても今回は擬似雨季飼育前のリセットなのでエルバの色が抜けた段階で麦飯石を投入するので、これといって何もしないのですがね~ (^^ゞ

手順としては、現在は上の写真のようにまだエルバの色が抜けていないので水が黄色い状態です。これを1週間くらいで透明になるように若干多めに(頻繁に)水換えをします。この間、水換え後には常に100Lに対して50g~100gの塩が入っている状態に! これはエルバでバクテリアが弱っているのでこの期間が一番病気になりやすいから! カラムナリスと白点、そしてアンモニアや亜硝酸対策としてウチでは塩がかかせないアイテムとなっています。

そして色が抜けた時点でリング濾材やウールを撤去し、濾過槽のスノコ下などの汚泥を全て取り除き、新品または再生した物に全換え! ウチの場合は1槽目にガラスリング濾材を10L~15L、2槽目に麦飯石を10kg、そして最終微塵取り濾過槽(外部フィルター)のウール。これらを一気にピカピカの状態にします。 これでリセット終了! リセット後2~3日は水が白く濁りますが、水換えは出来る限り控えて麦飯石の吸着効果に頼ります。 また、この期間は水を汚すと魚への負担が大きいので餌は1~2日に1回UV赤虫を2ブロックくらい与えるのみ。 

餌が少ないように思われるかも知れないけど、ディスカスを飼ってる人のblogやHPを見てよく「立ち上げ失敗!」「リセット後に体調不良に!」なんて言葉を見かけるけど、個人的な意見として、これはほとんどの場合「餌のあげすぎ!」リセット後は水質が安定しないのは当然のことだし、魚の餌食いが落ちてもこれまた当然。食べないのに餌を与えても魚にも濾過槽にも負担になるだけなので、自分的にはこの期間は少しでも胃に餌が入り、食べることを忘れないようにすることと、消化機能を最低限のレベルで維持することしか考えていません。そうすると自ずと大量の餌は必要ないように思いますし、胃もたれするハンバーグなんて特に必要なし! 2~3週間少量の赤虫だけでも十分に生命維持できますからね!

こんな状態で1週間ほどキープすれば、徐々に水質が安定し、餌をもっと欲しがるようになるので、若干小さくなった胃に負担をかけないように少しずつ給餌量を上げて行けば元通りの状態に! 今までの経験では、このリセットでだいたい3週間で完璧に立ち上がります。 吸着濾材を使っているので当然と言えば当然なのですがね~(^^ゞ

リセットには個々のこだわりがあると思いますが、どんな時にも共通して言えるのは魚の状態を見ること! 便利な世の中なので測定キットで容易に水質悪化物質とそのレベルを測定できるのですが、これを頼ったり、これに惑わされるのは良くない! 特にディスカスの場合、水は汚れて当然の飼育スタイルなので、アンモニアが!亜硝酸が!・・・なんていつも測定キットとにらめっこしてても意味がない! 測定キットより魚の反応の方が正解で多少アンモニアがあっても亜硝酸があっても食べる時は食べるし、食べない時は食べない! 調子が悪ければとりあえず少量の水を換えて塩を入れる。 これでほとんどの場合は事なきを得るって感じで飼育出来るのでは?なんて思います。
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231.立ち退き [AQUAな雑学]

そろそろ濾過槽が限界! スノコの下の汚泥もいっぱいだ~!!(>_<)
硝酸濃度は測定していないけどディスカスたちの鰓の動きを見れば「そろそろリセットしてよ~」って言わんばかりに開閉が大きくなってきた。 暖かくなってきたし、そろそろリセットしますか!(^_-)
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でもその前に、とりあえずトリートメントしなきゃ!・・・ってことで、擬似雨季飼育直前の定期トリートメントを実施することにしました。 ここ数年やっているお決まりの二種混合薬浴。 エルバ規定量+ハダクリーンでのトリートメントです。 このトリートメントは薬剤から読み取れるようにターゲットとなるのは浮遊バクテリアやカラムナリス、エロモナスを弱らすこと。そして鰓吸虫の駆虫です。
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ウチの場合、リセットは完全に新品or新品同様の濾材に取り替えるので中途半端に濾過細菌を残したり、エロモナスやカラムナリスが多くある環境であれば必ずと言ってよいほど、リセット直後の不安定な時期に何らかの体調不良に陥る。

例えは適切ではないけど、無理やり例えるとすれば・・・想像してください! あるマンションに良い住人がたくさん多く住んでいます。 でも、その中には悪い住人も若干住んでいます。 良い住人が多く住んでいる時にはマンションの治安もよくて住みやすかったのですが、良い住人たちが次々と引越して、良い住人より悪い住人の数が上回ったら??? たちまち治安も悪くなり今度は良い人が住めないマンションになってしますよね~

自分の中ではトリートメントなしで濾材を換えてしまうと善玉と悪玉のバランスが崩れ、まさに治安の悪いマンション状態になるのでは? それならばマンションの住人を一度全て立ち退きさせ、新たに建て直し、再度住人を募集した方が悪者の数は確実に減る!・・・っていう考え。 

それで抗生物質以外の魚病薬としては強めのエルバとプラジカンテルで水槽内の濾過細菌も病原菌も寄生虫も出来る限り落とす意味でこれを定期的に行っているのです。 まぁ~何も症状がないのに薬浴なんてって意見もあるでしょうがね。(^_^;)

今回の例え・・・ちょっとマズかったかなぁ~!?
なんだか自分が物凄くタチの悪い地上げ屋のような気分になってきた。(^^ゞ
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229.炭酸ガス [AQUAな雑学]

水換え直後に水槽内のあらゆる所に気泡がつく現象って・・・よく見かけますよね!? この気泡は魚の体表や目にくっ付き、時にそれを掃おうと底に体を擦り付けたり暴れたりして、それが原因でスレが出来たりって経験もあるのではないでしょうか!?
あれって何なんでしょう!? 何だと思います? 水を注ぐ時に泡立った泡? 酸素の粒?
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水換え直後の水草水槽。水草の葉や茎に沢山の気泡が!
この気泡の正体・・・。実は主に二酸化炭素なんですよね~ だから鰓に付着すれば一時的な酸欠で苦しそうな動きをしたり、また体表に付着すれば炭酸ガスがやや強めの酸性なので軽度のphショックを起こし粘膜が分泌されたりするんです。

まぁ~何にしても生命に関わるレベルの症状になることは少ないのですが、全く気にしないでもいいってことでもなく、やはり出来るだけ気泡が発生しないように水換えをするのがベスト! では、なぜ水道水に炭酸ガスが混入しているのか? また何を注意すればいいのか?

水道水に炭酸ガスが混入している理由は浄水場での生物濾過で酸素を消費したり、滅菌殺菌時に使う薬品の産物、そして何よりポンプ場から個々の家までの水道管内が真空に近い状態で圧をかけて送られてくるので炭酸ガスの濃度が高くなってしまう。(・・・っというより溶存酸素量が減る?) そしてそして! 熱帯魚と言えば温水・・・つまり湯沸かし器を使うことで一度熱せられるので酸素量がもっと減ってっという感じになっているようです。 この水をそのまま水槽に注ぐと・・・当然の結果と言わざるを得ませんよね。

これを解消する為には「貯水タンク」を設置し曝気するのが一番なのでしょうが、個人的にはこれはこれで水が軟らかくなりすぎたり、スペースの問題もあるのでおススメとは言えない。

なので我が家では魚の水換えに使う水はプレフィルターを通し、そのまま水槽に流し込むのではなく、園芸用?散水用?のシャワーヘッドを付けて「シャワー」「ジャット」「拡散」などといった水を泡立てる穴を選択し水面にたたき付けるように注水するようにしています。 これをすることで曝気と同じような効果があり、炭酸ガスもある程度飛んでくれるので換水時の魚への負担(炭酸ガスによる)は幾分マシになってる様子です。

また反対に水草水槽ではシャワーヘッドで泡立てず静かに注水することで水草の光合成に必要な炭酸ガスを添加するという効果もあります。 水道水に含まれる炭酸ガス・・・もちろん個々のお宅で濃度が変わるのでしょうが、ウチの場合、水草水槽1/2の換水で約1日分くらいの炭酸ガスは注入できているような感じがします。 なので水換えをする場合は出来るだけ午前中に行い、その日1日は炭酸ガスボンベをOFFにしています。

たかが水換え・・・でも、注水方法1つでこのように善にも悪にもなることがあるんです。 ディスカスのように粘膜の弱い(多分泌傾向の)魚やトラのように酸欠に弱い魚には、ほんの一瞬の事かも知れないけどストレスになったりしますし、水草にとっては水換えが一番の肥料になったり・・・こんなこと考えていると水棲動植物の飼育ってやっぱり面白いし奥が深い!!・・・って思いません?(^_-)
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225.正しいお米の洗い方 [AQUAな雑学]

みなさんは正しい(美味しく炊き上げる為の)お米の洗い方って知ってます???
 ①水を入れて手でかき回して、お米の表面についた汚れを洗い落とします。
   この時、決してゴシゴシやらない!・・・これを2回。
 ②研ぎます! 適量の水の中で指先から手のひらに向けて握るようにかき集めて
   手のひらで押す。軽く、優しく・・・これも2回。
 ③もう1度手でかき回し、流水を注ぎながら濁った水を捨てて終わり!
まぁ~プロから言わせれば若干違いはあるかも知れないけど、簡単に言えばゴシゴシやらない! そして洗い過ぎない!ってことみたいです。
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Lens:EF-S60mm F2.8 Macro USM
焦点距離:60mm 露出モード:マニュアル(M) 測光モード:平均 絞り:F5.6
1/13sec 露出補正-1.7 WB:オート 感度:400 画像モード:JPEG
照明:フラッシュなし PG-Ⅱ マニュアルフォーカス 三脚なし

しかし!! 本当に美味しくお米を炊くにはこれじゃ~ダメ! 洗い方は兎も角として、水についてもっと考えねば!!・・・・っというのも、洗う前のお米は乾燥していますよね? この乾燥したお米を水道水でそのまま洗ってしまったら水に触れた時点で塩素やら何やらを吸収してしまって、本当の意味での美味しさが死んでしまう。 やっぱり乾燥したものに注す水は清き水じゃないと! だからと言って別にペットボトルの「おいしい水」を使わなくてもいいのですが、出来れば浄水器を通した塩素臭くない水を使ってあげてくださいね。(^_-)

ふむふむ・・・・はぁ??? 熱帯魚飼育と米の洗い方? 何の関係があるんじゃ!!
そうですよね~ 関係ない・・・みたいだけど、ちゃんと関係させてます! 熱帯魚blogなんだから米の洗い方で終わりゃ~しません! 相変わらず長い前置きでしたが、ここからが本題です! みなさんは活性炭や麦飯石、ゼオライトといった吸着濾材はどのように洗っているでしょうか?

水道水でゴシゴシと汚れが出なくなるまで洗ったりはしてませんよね? これらのパッケージに書かれている取説では「綺麗によく洗ってください」なんて普通に書いてますが、この表現がクセもの! 活性炭なんかゴシゴシ洗っても、いつまで経っても透明にはなりませんし、麦飯石やゼオライトもゴシゴシ洗っても白っぽい汚れはいつまでも出てきます。 これをムキになって洗ってしまうと粒が砕ける上、水に含まれる塩素やその他微量元素をガンガン吸い込み本来の吸着能力が減ってしまいます。 お米を洗うのと同じで、優しく素早く、そして出来れば浄水器を通した水で洗うのが基本です。

決してマネをしろ!・・・とは言えませんが、ウチで活性炭を使う時は洗いません! 例え塩素の入ってない浄水器の水であっても洗わずそのまま濾過槽に「ドォボ~ン」です。 もちろん若干水が黒くなりますが、活性炭のお世話になる時は決まって何か問題が起きてる時なので(急激なアンモニア値上昇とか薬浴後の薬剤吸着)少しでも早く大量に吸収してもらうために・・・。 水が黒くなるのは一瞬ですし、そもそも炭は魚に害を与えませんからね。
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・・・ってな感じで(全然話がつながりませんが)先日から麦飯石の再生作業開始です。現在は2度の煮沸と2週間の天日干し中。 年末にアルトナナイの急な体調不良でピートを早く切り上げて治療を行ったため(治療の甲斐なしでしたが)例年に比べて黒水期間が短くなってしまったので早めに擬似雨季にしようと思い麦飯石の再生をしています。 そしてもう1つ理由が・・・。上の写真の「ヨーガちゃん」が何だか発情してるみたいな気がするんですよね~ 産卵管も若干出張ってきてるし・・・。でも産卵なんかされたら困る! 育てられない!! 淘汰するのも嫌だ!!! そんな理由で現在は水換えと給餌方法で産卵しにくい水質と水温まで徐々にレベルを上げて行き、魚が順応できる範囲になれば一気に麦飯石を投入して硬度とphを上げて産卵を阻止したいと考えています。
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202.ウォータースプライト [AQUAな雑学]

最近、少し朝晩が冷え込むようになってきました。 もう秋ですね~ ここ数日の朝晩の寒暖差で外で夏を越えた水草たち、特に浮草が若干元気を失っているような気がします。そろそろ浮草だけでも屋内水槽に移動しないといけないかな~

ってことで浮草の話題を・・・っと思って記事を考えていると、ある危険性について以前考えていたことを思い出したのでそれについて書いてみようと思います。
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Photo:改良のブリードをしていた頃の写真。濾過をMaxで回転できない産卵、体着の間は浮草の浄化作用で水質をキープしていた。この時よく使っていたのはネグロウォーターファン
「ディスカス水槽にウォータースプライト」 最近のディスカス水槽(ベアタンク)ではよく見かける組み合わせですね!? このように浮草をいれることで隠れ家や補助食、そして水質浄化と色々と役に立ってくれます。 しかし、このように浮草(ウォータースプライトは浮草ではありませんが)を使うことが本当に良いことなのでしょうか?  また「ディスカス水槽でウォータースプライトが繁茂した」と喜んでる人もたまに見かけますがこれは水槽が上手く行っている証拠なのでしょうか!? 個人的な答えとしては「No!」です。 もちろん植物が育つこと自体、非常に良いことなのですが、お節介な私としてはウォータースプライトが繁茂する状態は実は危険と隣り合わせであると警告を発したい!

水草栽培をやっている人なら既にご存知だと思いますが、通常、水草水槽ではウォータースプライトを繁茂させるのはなかなか難しいものです。その理由はウォータースプライトが好む肥料が他の水草と少し違って「アンモニア系窒素」を好物としているから。 つまり、ディスカス水槽でウォータースプライトが繁茂していると言うことは「濾過が効いてないかも?アンモニアや亜硝酸が出てるんじゃない?」っていうウォータースプライトからの警告なのです。

「清き水には魚は住まぬ?」じゃないですけど、ウォータースプライトは硝酸塩までキッチリと濾過されてる水では「それなり」にしか成長せず、ディスカス水槽で使うように水面を覆いつくすくらいまで繁茂できません。 だから本来はあまり喜ばしい状態ではないように思うのです。 もちろんダメな水とも言い切れませんが、ちょっと気をつける必要があるってことを頭のどこかに置いといて欲しいと思っています。ディスカスの為にもね!(^_-)

とはいっても、水草を使うこと自体は悪いことではありません。例えば今回の記事のメインであるウォータースプライトはどうしても亜硝酸やアンモニアが下がらない設置したての水槽やブリード中期の稚魚が大量にいて餌をたくさん必要とする時には場合によっては濾過器以上の浄化作用があるので是非利用したい水草です。 またアマゾンフロッグピットやホテイアオイ、ネグロウォーターファンなど葉っぱの付け根にスポンジ状の浮き袋のようなものがある水草はリン系の肥料を好むのでph低下の激しい場合やオルトリン酸の蓄積が疑われる水槽ではphを安定させてくれるのでこれも場合によっては使いたい水草の1つだと思います。要はそれぞれ特徴があるので、それを知った上で使えば・・・ってことが重要であって。それさえ理解していれば水質管理の力強い見方になってくれると思います。

今回、この記事を書くにあたりネット上を色々検索して回りましたがウォータースプライトについては警告を発している人が誰もいないことに若干怖さを感じて今日はあえて「憎まれモノになろう」と思って書いてみました。
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197.添加のタイミング [AQUAな雑学]

120cmOF水槽を新規で立ち上げてから間もなく2か月。 魚たちも水槽の大きさとそれぞれのテリトリーに慣れ、バクテリアもきっちり定着したようですべて落ち着いてきました。 が、しかし!そろそろ週1(1/2)の換水ではphのコントロールが難しくなってきました。最近は換水後ph7.2→5日後ph5.8→換水って感じになってきました。 せっかく落ち着いたかと思えばまた濾材(麦飯石)の交換時期のようです。KHの低下も早くなりましたし・・・。
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Lens:EF-S60mm F2.8 Macro USM
焦点距離:60mm 露出モード:マニュアル(M) 測光モード:平均 絞り:F2.8
1/15sec 露出補正±0 WB:オート 感度:400 画像モード:JPEG
照明:フラッシュなし PG-Ⅱ マニュアルフォーカス 三脚なし

ってな感じで「麦飯石を交換します!」って記事にしようと思っていたのですが、先日、ミネリッチアクアーレについて質問を受けたのでKHつながりで少し触れておきます。
質問された内容はph&KH低下の激しい(ミネラルの欠乏した)飼育水をミネリッチで1日でも長く引っ張りたい!っということだったのですが、それに際して添加する量とタイミングを尋ねられました。

去年の今頃・・・。このblogで淡水魚飼育ではあまり使われていなかったミネリッチを取り上げ、色々な方が賛同&モニターをしてくれて「良かったよ!これ!」なんて言って頂いたのですが、添加方法ははっきりとは明記してませんでした。 これはそれぞれの水槽、収容数、水道水によって水質が異なるので「1+1=2」ってな具合に分量を決めることは不可能だったから。もちろん今でも「量」については自分で探してもらわなきゃいけないのですが、添加のタイミングに関しては1つ言えます!

「基本的に水換え直後に入れるものではありません!」

この手の添加剤を入れる理由はみなさん御存じの通り、ミネラルを添加することによってKHをある程度高く保ちphをコントロールして水換えのサイクルを伸ばすってことです。 ROなどを使い純水に近い水を使うならまだしも、普通に水道水で水換えをしているのであれば、水道水に含まれているミネラルで水換え直後のKHはある程度高く、1日、2日と時が経つにつれてバクテリアや生態がミネラルをエネルギー源として消費するので減っていく・・・。

っということなので、水換え直後にこれらを添加するのは硬度を一気に上げることになり硬度ショック(水当たり)することになります。それでもまぁ~魚ってヤツは案外強い生き物なので、極端に弱ったりはしませんが物理的に見ても効率がよくない! 例え説明書に「水換え後に適量入れてください」と書かれていたとしてもミネラル添加剤は本来アフリカンや海水魚などの硬度の高い水質を好む魚用なのでディスカスに同じ使い方をするのはあまり好ましくありません。 本当の意味でのミネラル維持を考えるなら水換え直後ではなく、翌日、翌々日・・・って感じで減った量を足していくのが適切だと私は考えています。

水草をやってる方ならADAのカリ肥料なんかを毎日ピュピュ!って感じで朝にその日水草が必要とする養分を数プッシュするのが日課なのですが、ミネリッチもこれと同じように毎日ADAボトルなどに入れておいてピュピュ!ってやるのが賢い添加術だと思います! もし添加のタイミングを迷ってる方がいればKHの減り具合をテスターで予めチェックしておき、減ったところで添加!って感じでやると生態にもストレスなく上手く硬度を保つことができると思いますよ。(^_-)

追記として、ディスカス水槽にミネラルを添加する意味ですが、KHをコントロールしてph低下を防ぐってことだけではなく、ある筋からの情報ではディスカスのようにまるで海水熱帯魚のような派手な装いをしている魚がキラキラ輝くためには色々なミネラル(特に金属イオン)が必要だと言われています。 捕食する餌の色素だけではなく、植物が赤くなるためには鉄が必要なように色々なイオンが赤く、青く、黄色くなるためには必要なようです。 ロイヤルグリーンで有名なテフェ周辺は鉄鋼資源の埋蔵量がすごいと聞きますし、テフェ以外の場所も・・・アマゾンは資源の宝庫ですしね!(^_-) そういう意味でもミネラルの添加は大事かもしれませんね。
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174.納豆菌 [AQUAな雑学]

以前「134.納豆キムチうどん」と題して冗談っぽく書いた水槽への納豆菌投入ですが、あれから定期的な投入実験とリサーチを行い、やっぱり水質浄化に良い方向で働くのではないか?と実感したので、改めて記事にしてみました。 例にもよってまたクドクド長い考察が続きますので「ウザイ!」っと思ったらブラウザの×印を押して消しちゃってくださいね。(^^ゞ

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Lens:EF-S60mm F2.8 Macro USM
焦点距離:60mm 露出モード:絞り優先(Av) 絞り:F3.5
1/30sec 露出補正-1 WB:オート 感度:400 画像モード:JPEG
照明:フラッシュなし 蛍光灯1灯(NISSO PGⅡ )

まず初めに納豆菌についてですが、枯草菌と呼ばれる細菌群でBacillus subtilis var. nattoというBacillus属の好気性細菌です。特徴としてアルカリ耐性、耐乾性があり、過酷な環境下でも活動できる優れた細菌です。 また既にみなさんもご存知のようにバイオエコリングやBB菌の名で世界的にも知名度も高く、さらにマレーシアの国家機関(シリム)により国際基準での安全性が証明されたことからも低コストで河川浄化が行える代表的なバイオテクノロジーとして最近では世界各国の汚れた河川でBB菌が積極的に取り入れられ、その効果を発揮しています。

さて、本題の水槽に納豆菌を使うメリットですが、厳密に言えば沢山あると思いますが、とりあえず今回はAQUAで使える有効な効果2つを紹介したいと思います。 まずはネバネバ成分である「ポリグルタミン酸」によるプランクトンや浮遊物質の凝集作用(白濁解消)。そしてもう1つ高分子化合物の分解作用(タンパク質をアミノ酸に分解する)です。この2つは熱帯魚飼育で最も多いトラブルですがこの問題を解消・改善するのに納豆菌は大きく役立ちます。

ただここで1つ誤解を解かなければいけないのですが、バイオエコリングのパッケージにはアンモニアや亜硝酸をも分解し水質を浄化すると書かれてあります。一読すると納豆菌がアンモニアや亜硝酸をも分解している!・・・っと読み取ることができるのですが、実は納豆菌そのものにアンモニアや亜硝酸を硝化する能力はありません。バイオエコリングは納豆菌を使ってはいるものの納豆菌以外の窒素化合物を分解するニトロバクターやニトロソモナスに近いものもセメント内に封印されており、主にそれらが水質浄化を行っていると私は推測しています。なので納豆を水にといたネバネバの納豆水を水槽に入れても窒素化合物の分解は0だと考えておくのが良いと思います。

ではなぜ窒素化合物を分解できない納豆菌を入れるか・・・ですが、それは納豆菌本来の効能である高分子化合物の分解作用(タンパク質を分解する)を利用するためです。濾過の立ち上がった水槽では、既にニトロバクターやニトロソモナスが硝化活動を行ってくれてるので硝酸塩の蓄積さえコントロールすれば問題はないはずです。しかし、ディスカスや大型魚飼育では濾過は出来ていても濾材の目詰まりや濾過槽の汚泥を除去するために定期的にこれらを取り出し洗浄する必要があります。 この目詰まりの原因は主に高タンパクの餌を与えることでおこる濾材表面のタンパク汚れです。これを納豆菌の高分子化合物の分解作用で分解してもらおうというのが納豆菌を水槽に入れる意味なのです。上でもあるように納豆菌はタンパク質をアミノ酸に分解してくれるので、理論上では濾材の表面を覆い尽くしたタンパク質の一部または大部分をアミノ酸にまで分解し、その分解されたアミノ酸をニトロバクターやニトロソモナスがエネルギー源として使い、より活発に硝化活動を行なってくれます。 これらの作用によりタンパク質(目詰まり)はなくなるし、硝化細菌は元気になるしと正に一石二鳥の浄化活動が濾過槽内で実現できるのです。 これがバイオエコリングやBB菌製品の本来の働きで、市場に出回っているBB菌製品の説明書とは若干違い(誤解)がありますが納豆菌はこのようなプロセスを踏んで水の浄化(厳密には浄化のお手伝い)を行うのです。 市販の1パック数十円程度の納豆がこれだけの浄化を行うなんて・・・。素晴らしいですね。

さて、実際の納豆菌投入方法ですが、現時点ではその用法用量をまだ探している最中なので断言はできないのですが、今ウチで試しているのは納豆1パックをポリ容器からお椀などに移し、浄水器を通した水100ccを加えよくかき混ぜた後、細目のザルで濾して出来た納豆水を飼育水10Lに3mml程度入れています。おそらくよっぽど入れすぎない限り問題ないとは思いますけど、水換え時に換えた水の量だけ納豆水を濾過槽に直接入れてます。投入量によっては一瞬または半日程度水が白く濁りますが翌日には透明度は上がっています。 目に見える効果として、ディスカス水槽の最終濾過槽(微塵キャッチ用外部フィルター)の目詰まりが格段に解消され交換サイクルが伸びていますし、ガー&エンドリ水槽の上部フィルターの一番底に敷いてある中目のウールマットが先日目詰まりしてオーバーフローしていたので、実験的に連続投入した結果、マットの目詰まりが若干解消されたようでオーバーフローしなくなりました。 また水草水槽にも入れていますが、これは飼育スペースに直接入れて魚への影響をテストした結果、ネオンテトラが好んで納豆のネバネバを食べていて、特に調子を落としたり弱ることはありませんでした。

素人レベルの実験&考察なので、信頼性&安全性を証明することはできないと思いますが、納豆菌の浄化(クドいようだけど浄化の手助け)作用はこれからのAQUARIUMを変える存在であるのは確か?・・・ではないかと思います。 引き続き納豆菌を使った飼育は続けていきますが、とりあえず今日は中間報告と言うことで・・・。最後に、既にご理解頂いているとは思いますが、使用の際にはご自身の責任のもとでお願いしますね。(^^ゞ

<追 伸>
納豆を水槽に入れるなんて・・・って方には既に安全性が証明され、販売もされている「えひめAI」などを使うのも1つの手かと思います。「えひめAI」は各種報道などで有名なのでご存知だと思いますが納豆やヨーグルトを使って自分で作ることも可能です。 AQUAなシーンだけではなく排水溝や花壇、生ゴミ処理など多くの用途があり作っておくと便利かも知れませんね。
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173.水質管理マニュアル [AQUAな雑学]

数日前に正月休みが終わったばっかりのような感じがするけど、早いものでもう4月なんですね~(^^ゞ このblogも2006.4.1スタートだからもう2年もやってるんだ~・・・って最近、時が経つのは早いなぁ~と思う今日この頃です。 これって年をとった証拠なんでしょうか???
3年目に突入する記念すべき1回目の記事・・・何にしようかちょこっと考えたけど・・・うぅ~ん何がいいかな!? 何も思い浮かばないので「初心忘れべからず!」ってことで、魚飼育の基本「水換えについて」でも書いちゃいましょうかね!?
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Lens:EF-S60mm F2.8 Macro USM
焦点距離:60mm 露出モード:絞り優先(Av) 絞り:F3.5
1/25sec 露出補正-1.7 WB:オート 感度:400 画像モード:JPEG
照明:フラッシュなし 蛍光灯1灯(NISSO PGⅡ )

水族館や展示施設などでは共通する淡水魚水質管理マニュアルが存在するのをご存知ですか? そしてこのマニュアルに従って職員講習が行なわれ魚たちが管理されています。まずはこのグラフを見てもらったほうが話しは早いと思うのでこちらをご覧くださいまし! (^_-)↓
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ズバリ!見たまんまなのですが、魚を上手く管理するにはph値の上限を7.0くらい、下限を6.2くらいに設定すればどんな魚でも不調を訴えることもなく飼うことができます。 当たり前で、とても単純に見える管理法ですが、実はこれ、色々な側面から考え抜かれた科学的に見ても文句のつけようがない換水マニュアルなんですよ!(^_-)

これは微生物学の観点から考えられた硝化細菌(ニトロバクター)の活動限界や魚病学の観点から考えられたphショック、粘膜保護などを考慮した淡水魚に負担がかからない水換えのサイクルです。 一般的にph6.2~6.0を境にこれより下がるとニトロバクターの活性が極端に落ち込みます。 つまりこのマニュアルから言えばph6.2以下の水では硝化活動(亜硝酸→硝酸塩の硝化)が行なわれない!って言うのが1つのポイントです。 そしてもう1つ、水換え直後のph変動の差が1.0前後(最大2.0)で抑えるのが魚の鰓や粘膜にダメージを与えないポイントとなっています。
もちろんphが6.0より低くても魚が元気に泳ぐ水槽もあると思いますが、これは酸性の水質では各有害物質がイオン化してその毒性が発揮されないだけ!っということで、その状態で一気にphを7.4以上に上げると還元反応がおこりアンモニアや亜硝酸により瀕死の状態に陥る場合もあります。

結局のところ、このマニュアルでは「硝酸塩の蓄積によるphの低下を補正し、飼育水を魚の適正範囲におさめる」って言うのが水換えの定義とされています。 もちろん、水換えの意味は他にもありますが(例えば有害物質の排除やミネラルの補給など)濾過が立ち上がった状況下で適切な管理がおこなわれていれば有害物質はそれほど発生しないし、このサイクルで水換えを行っていれば自ずとミネラルも補給されると考えられているようです。

また上の表を見て頂ければ分かると思いますが、時間が経つに従ってphの放物線が急勾配になり期間が短くなっていきます。 この現象は水換えでは取り除けない汚泥と化した硝酸やオルトリン酸が蓄積していることを示しており、例えばこの換水ポイントに達する日数が1日ないし2日になった場合には、生物濾過は崩壊していると判断し、濾材の洗浄や交換が必要になってきます。

・・・以上、「誰もが知ってる」水換えの意味とサイクルですが、すべての基本だし、忘れてはいけないことなので自分も含め「初心を忘れないように」とりあえず記事にしてみました。(^_-) こんな感じでblog3年目もゴチャゴチャうんちくばかりを書き綴って行くと思いますが、よろしくお付き合いくださいませませ。(^^ゞ
今回の写真は昨年購入したテフェのキャンディです。 1月2月と自然発色剤の入ったハンバーグで「色揚げ」・・・ではなくメリハリをつける給餌と飼育をしてみました。コントラストは揚がってるけど、この魚、3/4スポットで止まっちゃいそう!? 購入時の予定ではフルスポットまで行くと思ってたんだけどなぁ~・・・・・。 でもまぁ~まだ2年目だし、もうちょっと待ったら化けてくれるかな!? どちらにしてもやっぱり難しいね~ 潜在能力の見極めって!(^^ゞ

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149.オルトリン酸 [AQUAな雑学]

これまでの記事の中で度々出てきた「オルトリン酸」。 汚れやヘドロの原因物質として紹介はしてきたもののよく考えてみると「オルトリン酸」自体の意味を書いてなかった。(^^ゞ
 「オルトリン酸って何よ!」って疑問を持ちつついつもお付き合い頂いていた方もいたかも知れないので今日はオルトリン酸について少し詳しく触れてみました。


photo:EF-S60mm(M) F2.8  ISO-400 1/25sec  ±0


オルトリン酸とはリン酸イオンのことで、これは主に残餌や生態が消化吸収しきれなくて排泄された糞などから溶出しイオン化したものです。 動植物の成長には欠かせないリンですが、ディスカス飼育や大型魚飼育ではリンを大量に含んだ餌(特にハンバーグやエビ)を大量に与えるため、このリン酸値が過剰に上がります。
※ph低下の原因は硝酸だけではなく、このリン酸も大きく関わっています。

一般的に動植物に吸収されなかったリンの一部はバクテリアが増殖する時に取り込まれ固定されるのですが、大半は水中のAl、Mg、Ca、Feなどのイオンと結合して不溶性無機リン酸として汚泥(ヘドロ)となって濾過槽内に蓄積します。 これは硝酸のように脱窒で大気中に放出されることがないので、水換えや濾過槽の掃除で水槽外に取り出すしか方法がありません。

ここで番外飼育モデルとして、我が家の環境ではあるけど、硝酸、リン酸の含有レベルと水換えの関係について少し書いてみます。 以前、硝酸とリン酸の測定をし、水換えのサイクルを検討したことがありました。 濾材が完全に立ち上がった状態で毎日測定すると共に4~5日くらいで最高値に達し、それ以上は数値が上がりませんでした。 これは4~5日で水中に溶け込めるリン酸の値が飽和状態となり、それ以上に数値は上がらないと考えています。 つまりphが中性を下回る水質では水に溶け込んでいるリン酸が一定量を超えるとイオン化して測定不能となったり、また飽和量を超えた分は不溶性無機リン酸となりヘドロとして蓄積する。 硝酸についても同じで、飽和量を超えると蓄積し、phを下げ続けます。

この飽和状態に達する日数や各数値の変動を何となくでも理解できれば、水中に溶け込んでいる状態で排除することでヘドロとしての蓄積を少しでも抑えることができるはず!!  このタイミングと量はもちろん簡単な計算では求めることはできないのですが、自分の頭の中では5日で100%となるので1日20% 1/2を換えると50% 水換え後2日で40%upで90% バクテリアの調子がよければ、この時点でまた1/2換えて45%・・・。などといった感じでなるべく100%を超えないように管理します。

ただ、このサイクルでの水換えはバクテリアを弱らせることがあります。東南アジア方式のように毎日100%水換えをして濾過を必要としない管理であれば問題ないのでしょうが、一般レベルの飼育ではバクテリアのお世話にならないと上手く飼育することは出来ない。そういった点を考慮すると時には4日、時には1週間または毎日1/5、2日おきに1/3など水の透明度や濾過の効き具合を見て微妙に変えていく必要があります。

この時、指標となるのがディスカスの糞の分解具合。 消灯前に底に落ちている糞の量や形状を確かめておいて、朝一番で確認し、綺麗に分解できていればバクテリアはほぼ完璧に機能している。機能しているのであればタイミングを見て基本換水を行う・・・などといった管理をしています。


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143.硝酸チェック [AQUAな雑学]

今日は硝酸中毒(パニック症状や餌食いの低下)時のチェック方法について書いてみました。 濾過槽や濾材の蓄積物ってなかなか把握できませんよね~!? 各種試験薬である程度分かったとしても、イオン化して測定できない蓄積物がいっぱい!!
前々回、「みそ汁」の記事で少し触れましたが、濾過槽が汚れていたり、濾材の目詰まりがひどくなると硝酸やオルトリン酸が蓄積し、phの低下が激しくなります。 この場合、ph低下の原因が明らかに汚れがたまった状態なので分かりやすいと思います。 しかし水質(水道水がある程度の硬水=KHが高い強い水)の場合はphの変動が小さくても知らず知らずのうちに硝酸がたまっている場合もあります。 この場合、水質の悪化状態を把握できずに、エラに致命的なキズをつけてしまったり、死んでしまうこともあります。この時のサインとしてパニック症状や餌食いが徐々に低下して元気がなくなるといった症状が出ますが、これもサインとしてはオーバーアクションではないのでなかなか分かりにくい。



photo:EF-S60mmMacro F3.5  ISO-400  1/30sec  Av-1
写真中央に写ってるヨーガ(カポちゃん命名)は当て馬として2匹1万円(送料込み)で買ったんだけど、最近ラインがメキメキと伸びてきた。 金目ってことを除けばロイヤルの仲間入りだね。(^^ゞ


このように今ひとつ調子が良くない時、ウチではメチレンブルーを使ってチェックすることがあります。 メチレンブルーと言えば、いわずと知れた白点病や尾腐れ病の治療薬ですが、獣医学的には牛や草食動物などの硝酸中毒の治療薬として使われることが有名で、大量に肥料(窒素)を散布した土地で生産された牧草や硝酸レベルが高い汚染された水を飲むことで硝酸中毒にになり、魚と同じようにパニック症状や酸欠、またその他の症状で死に至る場合もあります。 臨床的な解釈ではメトヘモグロビン血症と呼ばれ「ヘモグロビンと結びついて全身の送られるはずの酸素が硝酸と結合してしまうことによって全身に酸素が送られなくなる」とされています。

このメトヘモグロビン血症は地上で生活する牛では、そう頻繁におこることではないですが、水中で暮らす魚では水質が悪化すれば直ちにメトヘモグロビン血症となる可能性が高く酸欠をおこしたりパニック症状をおこします。 ディスカスが少しの刺激(水槽蓋の開閉、音、光など)で水槽内を縦横無尽に泳ぎ回り頭をぶつけたりする場合、ほとんどがこの硝酸中毒です。 また慢性的な硝酸中毒では、高濃度の硝酸に徐々に慣れてしまって普段は何もないように見えても、確実に寿命を極端に縮めたりします。

これらの硝酸中毒と硝酸の蓄積状態を確認するには、硝酸中毒と思われる何らかの症状があればメチレンブルーを薄めに投与することでメトヘモグロビン血症が一時的に改善したり、またこの改善により、その原因が高濃度の硝酸が発生であったと確認することができます。 つまりメチレンブルーで改善した場合、水換えや濾過槽の掃除が必要な時期になっているかも知れないってことです。

白点でもないのに水槽にメチレンブルーを入れることに抵抗があるかもしれませんが、濾過が機能していればメチレンブルーを少量入れたところで濾過が崩壊することはありません。1日2日で透明な水に戻ります。また、この透明度の戻り具合でも濾過の状態を知ることができます。つまり、何日も透明にならない場合は濾過が安定していないってことですね。

また、この硝酸中毒の例として分かりやすいか分かりにくいか分かりませんが、ショップで大型魚用の餌として売られている小赤(金魚)の水槽にメチレンブルーと塩を入れてストックしている光景を見たことがあるでしょうか!? あのストックの真意は小さい水槽に小赤を過密にストックされることで硝酸中毒になりやすいので、それを改善するための業者の技だったりします。 ・・・とは言っても、ショップの店員はただ単に白点やその他の病気の予防程度にしか考えていないことがほとんどですが、臨床的には非常に理に適った処置だと思います。


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