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216.腹部膨張症考察 [魚の病気]

アルトナナイがいなくなって1週間経ちましたが・・・。
久しぶりにディスカス水槽が異常なまでに活気付いています。(悪い意味で) やっぱり水槽の中でもかなり存在感のあった魚だったようで、その地位を奪う跡目争いが始まってしまいました。・・・当分の間は苛められっ仔の管理に目が離せなくなってしまいました。(^^ゞ
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残っているディスカスたちの管理は当然注意深く見守らなければいけませんが、アルトナナイの死因となった腹部膨張症についても自分なりにもっと真剣に考えておかないと同じミスを繰り返してしまうので、自分への戒めとして腹部膨張症について考察しておこうと思います。

腹部膨張症・・・水槽飼育下でのディスカス、中大型シクリッド、肉食大型魚では比較的起こる可能性が高い疾病で、その原因はエロモナス(腹水症)説、抗酸菌症説、イリドウイルス説など諸説色々ありますが、ディスカスの腹部膨張症はこれらに該当しない「腸閉塞」ではないかと考察しています。そう考える理由として、他の疾病であれば腹部が膨張する以外にも違った症状がでますし、発症後の経過でもそれぞれの疾病で特徴があるからです。もちろん解剖して病巣と思われる部分の組織検査などを行っていないので断言できないのですが・・・。(^^ゞ

私が考察するように「ディスカスの腹部膨張症=腸閉塞」だと仮定した場合、その原因は主にハンバーグの与えすぎによる脂肪過多が一番の原因ではないかと考えています。ではなぜハンバーグが良くないのか?・・・ですが、それは主原料である牛ハツの脂が魚の消化器官ではすべて消化することが難しいからだと考えています。

肉好きな人はご存知かも知れませんが牛肉の脂を完全に溶かすには約40℃(部位によっては60℃)の熱が必要と言われています。その脂を変温動物である魚が効率よく溶かすのは・・・若干無理のある話ですよね?(どう頑張っても水温の30℃以上は上がりませんし)これが長年蓄積していくと腸管内で脂肪が固まり腸閉塞を起こし、閉塞している部位の細胞が壊死したり、糞が詰まったりしてガスが発生し、お腹が異常に膨らむ・・・っていうのが私の考えです。 また、これまでの飼育経験から、この症状はメス(メスっぽい個体)で食欲旺盛で肉付きの良い仔が発症しやすいのではないかとも考えています。

腹部膨張症の予防としては「ハンバーグを一切与えない!」っ言うのが適切な答えなのでしょうが、栄養価の面でも管理の面でも現代のディスカス飼育でハンバーグは手放せないアイテムですので量や頻度を減らし個々の脂肪のつき方を見ながら計算して与えるのがベストだと思います。その見極めを誤ってアルトナナイを死なせた自分が偉そうに言うことではないのですが。(^^ゞ

また、腹部膨張症の治療ですが・・・はっきり言って「ない!」です。腹部膨張症の原因がまだ糞詰まりの段階であればストレスを減らす飼育と高水温で代謝を上げ消化を早めると同時にマグネシウム(ニガリ等)を添加すると改善する可能性がありますが(マグネシウムは糞を軟らかくします)腸管の脂肪が原因である腸閉塞であった場合、その部分をオペで切り取ってしまわないと治りません。(現実問題として開腹するのは不可能な話ですけど)

結局は飼育者の餌の管理が全てだと思いますので元気で権力のある脂の乗り切ったプリプリとしたメス個体がいる水槽では注意が必要だと思います。現在のウチの水槽で言えばテフェのキャンディあたりが今一番注意が必要かな!? こういう個体は我先に餌に食らいつくので、ハンバーグを与える直前に赤虫や何かで多少お腹を膨らせておき、食欲が落ちた頃を見計らってハンバーグを投入!って感じでこれからは飼っていこうかなぁ~なんて思ってます。


=追伸= 前回、そして今回の記事で「アルトナナイの腹部膨張症の原因はハンバーグである!」・・・みたいな感じで書きましたが、ハンバーグが危険でダメな餌だとは思っていません。反対になくてはならない餌の1つだと思っています。前回の記事を書いた後、励ましのコメントやメールを沢山頂きましたが、その中で「ウチもハンバーグを与えるようになってから調子が悪い」または「アルトナナイのように昨日まで元気だったのに急に死んだ」などという情報を頂きましたが、通常、細菌性の疾病にしても寄生虫症にしても、今回の腹部膨張症にしても・・・ディスカスという魚は調子を崩して1日2日で簡単に死ぬような魚ではありません。稚魚や事故(脳挫傷や内臓破裂など)ならともかくとして・・・。ディスカスが調子を崩して24時間以内に死亡した場合のほとんどは還元反応やアンモニアの急激な上昇など水質悪化である可能性が最も高いと考えられますのでその辺はハンバーグの責任にしないようにして欲しいと思います。私の誤解を招く言葉でハンバーグ製造業者や小売店にご迷惑をかけてはいけませんので最後にこれだけは特記しておきたいと思います。

コメント(9) 
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コメント 9

阿波

牛脂の溶解温度の話 チョクチョク書いてる方いらっしゃいますね
何か体内に溜まってくると産卵管にも異常が…
って推測されている方もいらっしゃいますものね
ハンバーグ自体「?」視される方を
最近チョクチョク見かけますが
与えると 目に見えて大きくなるのも事実ですし
やっぱ有効な餌である事は疑いようの無い事実
私も稚魚をハンバーグによる急激な水質悪化で
全滅させたと考えてますので使い方次第と 
やっぱ言うしかないですよね

私的考えですが 自然界の餌に近づけるには
やっぱエビバーグ作った方がいいんですかね 
ディスカスって魚食性のあるエビイーターって言いますから^^ 
by 阿波 (2008-12-10 08:10) 

グータン

ハンバーグ愛用者の僕にとっては、とても勉強になりました!!
今後は、ハンバーグ・赤虫・冷凍ブライン・活海老なんかをバランスよくあたえようと思います。
餌の管理も重要ですね^^’

by グータン (2008-12-10 14:59) 

moto

ハンバーグ過多にならないように、飼育者がエサのバランスを
考えていろんなエサを与えなければいけませんね。
でも、「ハンバーグが好き」とか「赤虫しかイヤ」という
わがままな子もいるんですよね^^;
by moto (2008-12-10 17:19) 

さかい

こんにちは。
はやく決着?がつくといいですね。
うちでも流木の配置をかえたり、増やしたり、餌の落とす場所を変えたり
ポンプ回して餌を拡散して水中で回したり、あれこれとやってますが、
テリトリー替えがおきて今もって落ち着きませんが・・・(++)。

水温、高くて30度~35度にしても、確かに脂って溶けないです。
ハツを使う理由を知らないので、いい加減にいえないですが、ハンバーグなら脂抜き、「赤み」のハンバーグとか。コストはすごそう^^;。あるのかな?。
ささみバーグとか、魚肉しらすバーグ、つくね・・・・どうですか?。
やはりえびバーグ。こうなったら、自作するしかない提案ばかりで^^;。
でも、毎日、湯がいて微塵にした小松菜、ほうれん草あげるようになりましたら、パクパク、食べてくれてます。
消化してるか、わからないんですけど
食物繊維で腸のお掃除もしてくれますかね?。

by さかい (2008-12-10 19:58) 

たかあき

阿波さん

恒温動物の我々人間でも調子の悪い時は牛の脂って消化しずらいですもんね~
そりゃ~魚にはキツイんじゃないのー?って感じです。
それでも、ディスカス飼育にハンバーグは必要不可欠なものだし、やっぱり
管理する側が考えて与えないとダメかもしれませんね。

エビバーグ・・・ちょっとお野菜入れてニンニクパウダーなどで風味付けすると
結構食べてくれますよ! 以前は作ってました。(^^♪
でも、それはそれで、エビに含まれるリンが問題になって・・・。
これを与えずぎると過剰なリン摂取になり、カルシウムの吸収が阻害されたり
することもあるみたいですよ


グータンさん

ハンバーグ以外に色々な餌を与えるのはいいことですね。
ハンバーグは与え方次第で水も極端に汚すので餌の管理さえできれば
ディスカスはちゃんと答えてくれますよね。


motoさん

そうそう! ハンバーグを好んで食べる仔、赤虫を好む仔、人工飼料を
好む仔・・・やっぱり人間と同じで好みがありますもんね~
ウチではジャプラは赤虫派で、キャンディはハンバーグ派なんですよね~
その好みって確実に体型に現れますからキャンディを見たら
「あぁ~ハンバーグで育ててるな~」ってすぐに分かっちゃいます。(^_^;)
一方、赤虫派はやっぱり引き締まってて健康的な体です。


さかいさん

今日になってやっと権力闘争は何とか治まりそうな気配が見えてきました。
若手成長株のテフェのキャンディが勝ち取ったみたいです。(^_^;)
この1週間意図的に毎日のようにレイアウトを少しずつ変えたり、水流の向きと強さ、
光の当たる位置を変えて、テリトリーをかく乱させ、またいつもの定位置に
戻したら治まりました。

牛ハツは牛肉の中で一番脂肪分の少ない部位でビタミンBが豊富なため
ハンバーグに原料に使われてるみたいですよ~
それでもやっぱり脂身は若干あるので、それが場合によっては悪影響を・・・
って感じですかね!?

ササミはウーロン茶で茹でて時々大型魚には与えています。
牛に比べると脂も少なくていい感じですよ。 時々であれば・・・ですけど。
しらすは・・・試したことないですね~ しらすより鮭の方が成分的に優れて
いるかも知れませんよ!?

エビもこれまた与えすぎるとリンの過剰摂取が気になりますし・・・。

やっぱり市販のものを考えて与えるのが無難なんでしょうか!?(^_^;)
小松菜、ほうれん草は食べるのであれば非常に良いと思いますよ!
両野菜とも鉄分が豊富ですし、赤の色揚げ効果もあるかも?

by たかあき (2008-12-10 23:42) 

dora

今回の記事を見てディスカスを飼育した初めを思いだしました
ハンバーグを買うにあたって材料を見て牛ハツの文字をみて
ビックリした経験があります。。。(^^;;
僕の友人もエンドリに牛ハツを与えていて突然死を経験したそうです。
やっぱり牛ハツにもエビにも何にでもいい面と悪い面は併せ持ってるんですよね。 やっぱり飼育者の観察でバランスよく与えるのがベストなんでしょう(^^;;  水槽内では与えられた物しか口にできませんしね。。。
やはり奥が深いです。。。。

by dora (2008-12-11 06:51) 

たかあき

doraさん

今でこそ、それほど驚くこともなく使っているハンバーグですが、ワットレーが
初めてレシピを公開した時は強烈な驚きだったんでしょうね!?

一部の意見ではハンバーグの使用がディスカス飼育を難しくしている!って
いう声があるのも事実で、これに変わる代用品があれば(魚の食性に合ったもの)
があれば、それを使うのがベストなんでしょうがね~

個人的には人工飼料にもう少しバリエーションが出来て色揚げ用とそうでないもの
そしてビタミン強化用、メンテナンス用などができ、嗜好性が上がればハンバーグを
使わなくても同じような効果が期待できるのになぁ~って思います。
by たかあき (2008-12-11 10:56) 

さかい

再び、こんにちは。

うちのブルーダイヤ(4年)、たかあきさんのおっしゃる「元気で権力のある脂の乗り切ったプリプリとしたメス個体」で、

先日、水質悪化のため赤虫中心の生活を続け、ちょっとばかりとハンバーグあげた翌日中、ずっと頭を下にした斜め立ちで、あげる度にその体勢で糞が止まったままで「糞詰まり」と確定したんですが、たかあきさんの考察?(理論?)、どんピシャの子のようです^^;、注意して餌あげようと思います、ありがとうございます。

私思うんですが、たかあきさんの本  「C'ZONE」  がでたら、
購入します^^。ははっ。
専門性のある本、見かけないのはうちが田舎だから?、
日記帳っぽく専門的でわかりやすい、ん~いいですね(自己満足笑)
by さかい (2008-12-11 18:31) 

たかあき

さかいさん

プリプリ青ダイヤちゃん・・・便秘ぎみなんですね~
生物学上・・・人間もそうですが、メス個体は脂肪がつきやすいですからね~
その上、ディスカスも人間と同じでメスの方が腸が長いのかも知れませんしね。

メスっぽい個体ってやっぱり注意深い管理が必要ですね。
特に赤虫メイン飼育をしていてハンバーグを解禁した時に症状がでやすいことも
よくありますしね。

C'ZONE・・・書籍デビューですか!?(^_^;)
自費出版の壁も高いですし、何より本として成り立たないでしょうし・・・。
webで見ていただけるだけで、私は十分ですよー
blogと言うテンプレートなので、過去logとかが見にくいので、この辺は
いつも気になってて、時間があればもっと必要な部分をダイレクトに
見つけやすいようにしたいと思うのですが・・・今のままだと記事を探すのが
大変ですもんね!? 
by たかあき (2008-12-12 11:51) 

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