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416.大量死の原因 [ブリーディング]

トラが逝ってから約半年。空のまま水だけ回っていたトラ水槽・・・。新たな住人を吟味しましたが、特に飼いたい魚もいないし、飼う気もない・・・。別にペットロスってわけではないのですが何だかねぇ~・・・って感じでそのまま放置していたのですが、本日、新しい生物が入りました。
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新しい住人はタイワンキンギョ226匹!! このblogを以前から見て頂いている方ならご存知かも知れませんが、私の妻の大好物で沖縄に生息するアナバスの一種です。故郷が同じということもあり、この魚への思い入れは凄く、今年の春にホームセンターのペットコーナーに10匹入荷された物をいつもの通り全部「大人買い?」しました。オス2匹、メス8匹。
その10匹から2ペア出来て産まれた仔たちの第一期生が今回の旧トラ水槽の新たな住人となったわけです。
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ここからは久しぶりに・・・いつも通りのウザいウンチク開始!・・・。(^^♪

上の写真は8月末に産卵・孵化した稚魚たち。久しぶりのブリードで結構苦戦しました!このタイワンギンギョ、1回の産卵で約400~600の稚魚が生まれるのですが、ベタ・アナバス系の稚魚たちは、ヨークサックがなくなって自力で餌を食べるようになっても初期飼料としてブラインが食べれない!

口が小さすぎてブラインが入らないんですよね・・・。ブラインが食べれるようになるまで孵化後約10日から2週間くらいかかり、その間は肉眼では見えないレベルのインフゾリアなどを食べるのですが、一般的にこの初期段階で孵化した稚魚の5~7割が死んでしまうと言われています。そして最終的には10匹くらい残れば上々だと・・・。

2週間で半分以上死ぬ!? 10匹しか残らない!?っと言われたら・・・。「死ぬと言うなら生かせてみようホトホギス!」天の邪鬼な私は可能な限り生かせるように、あの手この手で生存率を上げるように育ててみました。
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さて・・・。またまた前置きが長~くなってしまいましたが、ディスカスの稚魚のハンバーグシンドロームやその他稚魚の飼育でよく話題になる大量死について改めて思ったことと、ちょっとした考察です。

今回のタイワンキンギョは孵化後2週間までの給餌は少し特殊ですが、これは各HPなどで情報公開されているPSBを餌として与える?やインフゾリアを湧かせて与えることで何とか切り抜けることは出来ます。

しかし稚魚飼育で一番の壁は、生後1カ月過ぎくらいからのパラパラ落ちていく現象。これは今回のブリードでもやはり苦労しました。ちなみ情報サイト等でよく言われているこのパラパラ減少の原因は次のようなものです。

◆過密飼育、大量給餌による水質悪化
◆免疫が低下する(人間で言う初乳の効果が切れる?)
◆ハンバーグなどの油脂が鰓にくっつき酸欠
◆鰓吸虫などの寄生
◆過密状態でのストレス

上記の原因は確かに多かれ少なかれあると思います。私も過去にディスカスのブリード中にはこれらを疑い駆虫薬を使用し、頻繁な水換えを行ない維持した経験もあります。ただ、今回も同じような状態に陥り、少し違う感覚(違う原因)に焦点を変えてみました。

・・・っと言うのは、ディスカスじゃないのでハンバーグは使ってませんので、ハンバーグシンドロームって言葉自体が違うかな?っと。


ってことで、今回のブリードで大量死の一番の原因ではないかと感じたのが消化不良・腸閉塞・酸欠、そして人工飼料への疑問(魚類が消化出来ない小麦粉の使用)。本当の意味でプロ中のプロである養殖業界では、かなり昔から「稚魚の消化酵素の活性が落ちる時期」と言うのが研究されており、給餌コントロールが行われていると言われています。孵化後30~50日のタイミング・・・。この時期に餌を欲しがるからといって、欲しいだけ与え続けると生存率が著しく低下する。

バクバクと食べるこの時期が、餌を与えてる側からすれば一番楽しい時なのですが、パラパラ現象のメカニズムとして「消化酵素の不活性化→食べ過ぎ→腸閉塞or消化に酸素を使いすぎる為に酸欠」っとなり、それと並行して「大量給餌→残餌or大量の糞→水質悪化」っとなり、パラパラと死んでいく・・・。

長くなりましたが、今回、久しぶりに繁殖をしてみて、パラパラ落ちだして困っていた時に養殖魚の話を思い出し、10日間ほど餌を極端に減らし、人工飼料と絶った結果、パラパラ現象が止まりました! なので、各種ブリード中で、頑張っているのに何故か落ちる!っと悩んでいる方がおられたら、孵化後30~50日のタイミングで一度給餌量を抑えて様子を見てみませんか?・・・っというお話でした。


途中、私のミスでパラパラ落としてしまいましたが、現状で200を超えるチビたちを救えました。でも・・・。こんなに残してどうするんだ?って最近、自問自答しております。矛盾しますが・・・。可哀そうな話ですが・・・。やはり自然淘汰は必要かも知れません。

大きくなれずに生き残ってる仔もいますし、見るからに弱そうな仔もいます。この消化酵素ウンヌンの話も冷静に自然界を想像すれば当然の話。だって、自然界で毎日お腹いっぱい餌を食べれる環境ってないですよね? 泳ぎまわって必死に探して、ようやく見つけたミジンコ1匹パクリ!そしてまた泳ぎまわってパクリを繰り返して大人になる。見つけられなかったり、泳ぎの下手な仔はその時点で死んでしまうのだから・・・。

たくさんの稚魚をトラ水槽に移しながら、上の方で口にした「生かせてみせようホトトギス!」っていうのは、私のエゴだったなぁ~っと反省しながら、可能な限り責任を持って殖やした仔たちを育てようと思いました。
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415.ありがとう [お知らせ]

記事を更新するのは何年ぶりだろう・・・。約3年ぶり? 以前の常連さんはまだaquariumを続けているのでしょうか? そしてお元気でしょうか?

もし以前の常連さんがまだ見ていてくれたなら・・・。また今までお話したことがなくても、このブログを読んで頂いていて「トラ」のファンがいてくれたなら・・・っと思い、独り言に近いご報告です。

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私の中では色々な意味で人生を変えてくれた友人のトラが先日亡くなりました。飼育自体は二十数年。多分年齢的には27~28歳だったのではないかと思います。5月の中旬くらいから急激に痩せはじめ、最後は暴れることなく静かに呼吸が止まっていました。

過去の記事にも書きましたが、この魚が私に与えた影響は多く、この魚がいなかたら、今とは全く違う人生になっていたように思います。

その昔、スケルトンボディーのiMacが世の中を賑わした時、初めてパソコンというものに触れインターネットを始めました。ネットがつながって真っ先にやってみたのが、yahooで「ダトニオ」を検索!

検索された結果は、誰かが飼っているダトニオの写真が数枚。この魚に関する情報など何もありませんでした。「それなら自分が情報サイトを作ろう!」っと右も左も分からないhtmlタグを本で調べながら作ったHP。

デザインや情報、写真・・・。自分の出来る限りのこだわりで毎夜毎晩HP作り。それがきっかけでwebの仕事をすることになり、それがきっかけで全国のお魚好きとつながり、それがきっかけで妻と結婚し・・・。沢山の出会いと経験をするきっかけをくれた「トラ」。


私自身、まだ41年しか生きておりませんが・・・。その中で、それなりに色々な人間と出会いましたが・・・。トラほど私に色々な影響を与えた生命体はいませんでした。私にとってトラは魚ではなく、友達?家族?・・・なんだか分からない不思議な存在でした。

私の人生に楽しみや喜びを与えてくれてありがとう。沢山の出会いを与えてくれてありがとう。沢山学ばせてくれてありがとう・・・。不思議なんですが、トラの屍を見て、思ってた以上に悲しくなく、ただ「ありがとう」という言葉しか出ませんでした。

これまでトラのファンでいてくれた方。ありがとうございました。トラのおかげで身に付けた魚に関する情報や知識。このブログにはそれらが好き勝手に書かれていますが、誰かのお役に立てる事があるのなら・・・。アドバイスさせて頂ける事があるのなら・・・。これまで同様何でもお手伝いさせて頂きますので、トラのいなくなったC’ZONEですがいつでも遊びにきてください。

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