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131.繁殖マニュアル2 [ブリーディング]

《産卵》
ペアの形成が上手く行き産卵直前になると産卵筒や水槽面、ストレーナーなどメスが気に入った場所に腹を擦り付け産卵リハーサルが始まります。 この時、メスの産卵管は徐々に出張りますので産卵が近いことを示します。 通常、出張りだした翌日か翌々日の夕方には産卵が始まることが多いので、産卵管の出張りを感じたら水の汚れない餌に切り替え(または餌止め)、場合によっては水換えをして産卵に備えます。 またそれと同時に水流の気配りも忘れてはいけません。 ディスカスのオスは放精が下手な上、放精する量も極端に少ないので水流が強いと上手く受精できません。 夢精卵のほとんどの原因はオスの経験不足や水流の問題なので、産卵管の様子を見ながら産卵の時を推測し、産卵直前には外部フィルターならコックでしぼったり、上部フィルターなら停止したりしてエアレーションだけ(またはスポンジフィルター)にするのが基本だと思います。

ディスカスは一度の産卵で約100個~200個の卵(親の大きさと成熟度で違うけど)を産卵します。 数個~十数個の卵を一列ずつ産みつけ、一列が終わると急いでオスが産んだ卵の上に腹を擦り付け放精して行きます。 これを何度か繰り返して行い約1時間~2時間で全てを産み付けます。 




photo:体着後約2週間目の稚魚と子育てするドイツコバルト。 稚魚はそろそろミルクよりブラインやミジンコに興味持ち、積極的に餌を探し回るようになる。

ただ、これらの産卵行為がペア水槽で起こるとは限りません。 混泳水槽で急にペアができ、何らかの拍子に産卵に至ってしまう場合も結構あるはずです。 ウチでもワイルド2ペアの最初の産卵は混泳水槽で産卵してしまいました。 ただ、これは失敗ではなく、個人的な意見ですが、このようにたくさんのディスカスが同居している水槽で何度か産卵させた方が後々結果が良かったように思います。 混泳しているとペア以外のディスカスは卵を食べようと産んだ直後の卵に襲い掛かり、食べられることもありますが、これをペアで守ろうとする行為がペアの絆を強めて夫婦仲を良くするのではないかと感じています。

このような理由から混泳水槽で産気づいたとしてもウチではすぐにペアを隔離したり水槽を移したりといった行動は起こさないようにしてます。 混泳水槽で数回産卵し、受精(放精)が確認できた段階で様子を見てペア水槽を用意してます。 焦らずとも孵化まで至らなければ2週間に1回くらいのペースで1シーズンに10回くらい産卵しますし、来年もあることだし! 産卵の誘発と同じでここでも焦らないようにしています。

混泳水槽での産卵、受精を確認できたらいよいよペアだけ収容した本格的な繁殖にチャレンジです。 ここでは60cmワイド水槽を用意し、水質をペアの好む環境(一般的に受精率の良い水質)に近づけるためph6.0±0.5、GH3、KH2、28℃程度のブラックウォーターにしています。 そうすることで混泳水槽で何度か産卵を経験したペアは二人だけの世界に酔いしれ直ぐに産卵をするはずです。 産卵管の様子を見て、産卵間近には上で書いたように水流を調整し受精率Upを狙います。 

《孵化・体着》
産卵を終えるとペアは卵の周りを片時も離れず口や胸鰭で新鮮な水を卵に送り続けます。 ある程度時間が経つと卵が白く変色することがありますが、これは無性卵でカビが発生するからです。 しかし人間がそれを取り除かなくても親が卵の状態を把握して不必要なものは口でついばんで食べ、健康な卵にカビがうつらないように取り除きます。

通常、産み付けられ受精した卵は水温27℃で72~78時間。28℃では68~72時間。 30℃では46~52時間で孵化します。 時間が経つとともに卵が黒っぽく変色していきますが、これは卵の中で稚魚が正常に育っている結果です。 孵化させるときの注意点としては、孵化を焦るあまり水温を上げる人をたまに見かけますが、そうすることによって卵の中で細胞分裂が早くなり各器官が未成熟なまま生まれることもあるので、ここは焦らず27℃か28℃。時間で言えば70時間くらいかけてゆっくりと細胞分裂させる方が稚魚の奇形が減り後々の成長も良くなると思います。 また、水槽環境としては産卵後約2週間は照明を24時間つけっ放しにして親がいつでも卵や稚魚を確認できるようにしてあげる方が食卵や育児放棄が少ないと思います。 濾過の再開に関しては産卵が終わった2~3時間後に再開して水質の安定を保つことで親のストレスが軽減されると考えています。

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130.繁殖マニュアル1 [ブリーディング]

ディスカスの恋のシーズン到来! ウチにも何となくペアになりかけてる仔がいるし、みなさんのblogでも産卵の報告があるので、少ないブリード経験をもとに「ディスカスブリードマニュアル」を書いてみました。 ウチで今まで繁殖に成功したのは3ペア。 原種グリーン×原種グリーン、ウィリーシュワルツ×グアリバブリリアント(ともに原種ヘッケルタイプ)、ドイツコバルト×ブルーダイヤ(ともに青系改良種)。 生まれた子どもにあまり興味がないのですべて里子にだしましたが、ディスカスの産卵や子育ての方法には毎回感動させられました。 あの感動をみなさんにも是非味わって頂きたい!! ほんと、魚とは思えないよ!ディスカスの繁殖って・・・。(^^♪





Photo:ドイツコバルト♂が卵を見張っている様子。 ブルーダイヤ♀は♂に卵を奪われていつも水槽の端っこに追いやられていた。 写真は当時デジカメがなかったのでビデオカメラで静止画を撮ったもの。100万画素だけど案外普通に見れるよね!?(^^ゞ



《ペアの形成》
ディスカスと言う魚は律儀というか何と言うか、基本的に浮気をしない魚です。 ほとんどの魚類は誰かれ構わず仔作りをするのに、ディスカスは一度決めた相手と永遠の愛を誓い合う・・・。 素晴らしいことですね。(^^ゞ

ペアを形成するには適度なサイズの水槽(例えば90cm水槽)に10匹くらいの未成魚を入れて飼育すると自然とペアができて産卵に至ります。 基本的には優位なオスにメスが惹かれるって感じでしょうか!? ウチではこの自然なペア形成で原種2ペアの繁殖をしました。 これとは対照的に飼育者が狙った組み合わせでペアを形成することも可能です。 この場合、未成魚のうちからオス、メスと思われる2個体を水槽に押し込め、半ばイイナズケ状態で飼育します。 これで改良種1ペアの繁殖をしました。


どちらのペア形成が良いかというと、言わずとも分かるように自然にできたペアの方が夫婦仲もよく時間もかかりません。 イイナズケ作戦は狙って作る楽しみはありますが、時間もかかるし、産卵中に喧嘩が激化したりしてスムーズな繁殖は難しい面もありました。


《産卵への誘導》
どんな方法にしろ、ペアらしきものが出来たら産卵筒などを占領し始めます。 他の魚を激しく攻撃して産卵場所に寄せ付けないようにしたり「ディスカスダンス」と呼ばれるお辞儀や交差を繰り返し、それが落ち着くと産卵場所を突いて体をブルブル震わせたりと、通常ではしない行動をやりだすので産卵の時期が近いということが見た瞬間に分かります。 ただワイルドの場合、ディスカスダンスをしない場合もありました。「メスの産卵管が出張ってるなぁ~」って感じて数日で産卵してたりする場合もありましたが、どちらにしても普段とはかなり違う動きをするのは確かで発情していることは良く見ていれば分かります。

産卵のきっかけになるのは気圧、水温、ph、水中の色々な産卵誘発成分などの条件とペアの気持ちが高まった時。 とくに台風や大雨、満月の時にタイミングを合わせて産卵することが多いようです。 時間的は夕方が最も多く、時計でも見ているのか?ってくらいに17~19時くらいに産み始めることが多いです。

産卵に合わせて過剰に水質を調整する人も多くいますが、個人的な意見ではphを極端に上下させたり水温に変化をつけて産卵を促すより彼らの意思に任せた方が卵の数も受精率も良かったように思います。 とは言っても最低条件の水質調整は必要です。アルカリ水質では受精率が悪くなりますし、極端な酸性でも卵が破裂したり色々な問題が生じます。

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108.生後60日 [ブリーディング]

GW真っ只中に生まれたスパイクテールの子どもたち。 こんなに大きくなりました! はじめの1ヶ月間は1日5回のブライン給餌が大変だったけど、その甲斐あってみんな元気にたくましく育ちました。 現在はメダカサイズまで大きくなって、冷凍ミジンコを食べるようになったので世話はだいぶん楽になりました。

photo : EOS KissD + EF-S 60mm Macro (JPEG)
ISO-800  F2.8  1/25sec   撮影=嫁。

・・・・・って、育ったのはいいのだけど、どうすっぺ! この数!
確かに最初は珍しい品種だから、ある程度残して系統維持をしたいと意気込んでいたけど、ほとんど死ぬことなくみんな元気に育ってしまって軽く見積もっても100匹はいる。 中には多少奇形のものもいるから、それらを間引いたとしても、80~90は残ってしまう。

photo : EOS KissD + EF-S 60mm Macro (JPEG)
ISO-800  F2.8  1/30sec   撮影=嫁。
他の魚でもブリードした後の増えすぎた魚をどうするか悩むのは同じだろうけど、コイツらは繁殖前から馴染みのショップに「増えたら引き取ってくれる?」ってちゃんと契約済みなので、とりあえず大丈夫だと思うのだけど・・・・・。
約束した数は20~30匹。 残り50匹ちょっとは自分で飼うことになるだろう・・・。また水槽が1つ増えること間違いなしだな。(^^ゞ
もう寝るところないっちゅ~ねん! ・・・って自分が悪いんだけどね

EOSがほとんど新品同様になって帰ってきたのはいいのだけど、部品が全て変わっているので、触った感じは同じだけど、何となく今までのカメラではない。 設定関係や機械自体の癖がすべて変わってしまったので、調整になかなか手こずってしまって思ったような色で撮れなかったんだけど、やっと新しい機械の癖や設定が分かってきたような気がする。 by 嫁。

同じ機種で同じ部品つかってても、それぞれ微妙に違うんだよね~
車とかでも、全く同じ車なのに運転してみると「何か違う???」ってことありません? 機械類にも不思議なことが多い。

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095.結構たくさん [ブリーディング]

先日産卵報告したレッドスパイクテールパラダイスフィッシュ(相変わらず長い名前ですね。)
今回はかなりまとまった数が孵化し、既に自由遊泳を開始したものもいます。

たぶん50~60匹は孵化している感じ!?

水槽の掃除ができないから汚い写真になったけど、既に泳ぎ始めた個体も・・・。
ブラインの給餌もはじめ、まだ食べれるかどうか微妙な大きさだけど、他の小型アナバスに比べたら、稚魚のサイズが大きいのが特徴のスパイクテールなので、自由遊泳直後に食べるものがなくて弱るってことは少ない。 案外ベタやグラミーなどの方が初期飼料には気を使わなければならない。

今までアナバスの繁殖では結構成績がよいのだけど、果たして今回も同じように落とすことなく育て上げれるだろうか!? 過保護な飼育は淘汰されるべきものも生き残るので、本来なら弱い個体は落とすような飼育をしなければ後々病気や奇形で他の元気な個体にも迷惑をかけることになるのだけど、今回の目標はとりあえず数を殖やしてDNAを後につなげることだから、ある程度の大きさになるまでは人工飼育でやってみようと思います。
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066.ワイルドF1 [ブリーディング]

この仔はテフェグリーン×テフェグリーンのF1です。皆さんどう評価されます?

おそらくこの仔の評価は2つに分かれるはず!?改良やスポットが好きな人なら綺麗だと評価してくれるのかも知れません。でもワイルドの血を残そうと思う人は私と同じ評価かな!? 美しいとは思うけど「残念」って。もちろんここで言うところの残念は、この仔の体型や色彩などのDNA的な問題ではなく私の管理ミス。軟水で管理し、稚魚がブライン離れした直後から色揚げを行うとこんな感じの仔ができます。撮影当時は12cm前後だけど、既にかなり赤く基調色もピンクっぽくなってしまいました。何かの本で色素細胞が整ってない状態から過度の色揚げを行うと色素細胞が強烈に増殖して戻らなくなってしまう・・・って読んだことがあります。

改良は改良で素晴らしい。ワイルドクロスも美しい。でもワイルド同様の色彩表現が維持できればこれまた美しい。自然界とは水も餌も全く違うからやっぱり無理な話なんだろうか・・・・。もしまたブリードのチャンスがあれば基調色を維持する給餌方法(自然食)をやってみようと思います。最低MLサイズになるまではカラーは触らないように。


この仔の大きな特徴として、バーチカルの数をご覧くださいませ~♪
分かります?普通は9本のものが11本あるんです!! スポット系ディスカスの改良ではバーチカルが多ければスポットが多く出ると言われています。(Y字個体もスポットを重視するならgoodな選択肢です)一部ブリーダーの中には積極的にバーチカルの多いワイルドを親に選んでクロスすることも多く、その面から見ればこの仔は上質な改良を作るにはもってこいの仔かも知れません。


ショップを通じ他の人に譲ってしまったので、現在の状態は不明。


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065.孵化! [ブリーディング]

やっと孵化しました!! 誰の子か分からない卵が!!

Photo: Canon EOS KissD + EF-S 60mm Macro (D)
シャッタースピード 1/40秒 F2.8 ISO-800 露出補正-0.3

卵を発見してから孵化&稚魚育成水槽に移動して12日目、朝水槽を覗くと小さい透明の魚が2匹泳いでた。他にもまだ孵化してない卵もあるけど、先に卵から出た2匹は自力で泳ぎ既にミジンコを捕食している。

さて・・・・・いったい誰の子? グラスキャット???

Photo: Canon EOS KissD + EF-S 60mm Macro (D)
シャッタースピード 1/40秒 F2.8 ISO-800 露出補正-0.3


セレベスレインボー???

Photo: Canon EOS KissD + EF-S 60mm Macro (D)
シャッタースピード 1/80秒 F2.8 ISO-800 露出補正-0.3


正体はあと1ヶ月くらいしたら分かるかな!?
嫁曰く「アジの稚魚ってこんな感じだよね~・・・セレベスの顔してるし!」

それにしても、この稚魚は小さい!
ヨークサックもほとんどないし、口もかなり小さいので初期飼料にPSBでも用意しておいたほうが良かったかもしれない。とりあえず稚魚育成水槽にはミジンコやミズミミズ、インフゾリア等は自然に湧いているけど、餌のサイズが大きいかも!?


ウチのグリーン水槽で一番大きいジャンボちゃん(20cm)が結構ヤバイ状態のように感じる。ここ2週間くらいで急激に色艶がなくなり餌もなかなか喉を通らない様子。あの大きかった体もかなり小さくなったように感じる。
病気とか寄生虫とかの問題ではなさそうだし、やっぱり来るべき時が来たのだろうか!?

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